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ベニスに死す 集英社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2011/08/19 |
JAN | 9784087606287 |
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ベニスに死す
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商品レビュー
3.7
16件のお客様レビュー
著者、トーマス・マン、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。 ---引用開始 パウル・トーマス・マン(Paul Thomas Mann、1875年6月6日 - 1955年8月12日)は、ドイツ出身の小説家、評論家。 ---引用終了 で、本作...
著者、トーマス・マン、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。 ---引用開始 パウル・トーマス・マン(Paul Thomas Mann、1875年6月6日 - 1955年8月12日)は、ドイツ出身の小説家、評論家。 ---引用終了 で、本作の内容は、次のとおり。 ---引用開始 高名な初老の作家アシェンバハは、ある日旅の誘惑に駆られ、ヴェネツィアへと旅立つ。そこで彼が出会ったのは、神のごとき美少年タジオだった。その完璧な美しさに魅了された作家は、疫病が広がり始めた水の都の中、夜となく昼となく少年のあとをつけるようになる…。官能の焔に灼かれて朽ちていく作家の悲劇を、美しい筆致で描いた文豪マンの代表的傑作。巨匠ヴィスコンティの名作映画原作。 ---引用終了 そして、ウィキペディアに、著者の影響を受けた作家が列挙されていたので、生年没年を見ておきます。 トーマス・マン(1875~1955) 三島由紀夫(1925~1970) 吉行淳之介(1924~1994) 北杜夫(1927~2011) 大江健三郎(1935~2023) 辻邦生(1925~1999)
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アシェンバハはタジオを「ギリシャ彫刻のよう」とたとえていたが、アシェンバハのタジオに対する眼差しにはプラトンのいうエロースを感じた。そう考えると、タジオを愛でながらの死はアンシェンバハの魂がイデアの世界へと帰っていったとも考えられるのかななんて思った。 トマス・マンは初めて読ん...
アシェンバハはタジオを「ギリシャ彫刻のよう」とたとえていたが、アシェンバハのタジオに対する眼差しにはプラトンのいうエロースを感じた。そう考えると、タジオを愛でながらの死はアンシェンバハの魂がイデアの世界へと帰っていったとも考えられるのかななんて思った。 トマス・マンは初めて読んだが、耽美と理論が同居しているような文章だなという印象。日本でいうと、三島由紀夫、平野啓一郎を彷彿とさせられた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ヴィスコンティ監督の映画版が好きです。オープニングの夕暮れんなかに船が消えていく姿が印象的で、あの音楽と相まって、始まりにして「ああもう終わりなのかぁこの人ぉ」と予感させるんです。 御多分にもれずマーラー好きになったわけですが、原作のモデルはマーラーじゃないんですね! むしろトマス・マン自身の日記とすらいえるくらい私的なお話。しかもベニスに行くまでに3分の1ページも使っちゃってるし、どうにも小難しいお話ばっかりだし。 でも映画だけだと、同性愛だとか小児性愛を描いたお話かと思っちゃいますが、「美とはなんぞや?」を追求した芸術論だってことがわかりました、だって主人公の作家先生、ご自分の著作が教科書に載ったことである意味「到達」しちゃったわけですが、実はその裏には今でも背徳への憧れがあるんでしょ? ゆえに死出の旅にて美の化身であるタジオくん(表紙の彼ね)に出会えたと。 ダメかね? ダメだね。ぶっちゃけますが、これほとんど実話らしいじゃないですか。そうなってくると、マンさんはタジオくんに幼き日の自分を見たんじゃないですか? つまりは鏡に写った自分の美しさにうっとりしちゃったんでは? マンさんはナルキッソスだったということですよこれは。違うかなぁ。岩波版実吉訳も読んでみます! 《芸術は、たとえ外的生活が僧院的静寂のうちに送られたとしても、ながいあいだには、もっとも放埒な熱情と快楽に満ちた生活すら生み出しえないような、神経の我儘、過度の洗練、疲労、そして好奇心を生み出すのである》
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