知らなかった！日本語の歴史

浅川哲也【著】

• 販売会社／発売会社: 東京書籍
• 発売年月日: 2011/08/04
• JAN: 9784487805372

商品レビュー

2024/07/12

・「違うよ」という意味での「ちげーよ」は誤用
・「ニッポン」か「ニホン」か問題
・埼玉は「サキタマ」ではないの？

古文などの例を用いて細かく解説してあり読むのが大変な本でした。私は飛ばし読みでしたが「なるほどな」と納得したり、「そういえばそうだな」と興味深く読みました。

外国人なら混乱するであろう日本語のルールも、日本人ならウン十年も日常で使い続けていると、当たり前としてスルーできるもんだと感心してしまいます。
とはいえ、義務教育時代の国語や古文・漢文の授業を、嫌々ながらも勉強してきた土台もあったのだと本書を読んでしみじみ感じました。

「ら抜き言葉」など日本語運用が社会方言化していることに危機感を抱いている筆者。彼の「国語教育」を、文学教育ではなく「言語教育」にして日本語に向き合うべきという主張も、「できれば美しい日本語を後世に残したい」と願っている私には考えさせられました。

古典語や古典文法に関する知識や素養がないと、「眠れる森の美女」を「眠りの森の美女」にしてしまう（「眠れる」は「森／美女」にかかるが「眠りの」は「森」にかかる）し、
「ら抜き言葉」を放置すると「れ足す言葉」になってしまう（・書けれる・飛べれる・読めれる　など）問題も発生している。さらに極端に行くと「アーニャ語」のような未熟な喋りかたをする日本人が増えるかもしれないですね。

社会の激しい変化や自然災害が原因で日本語は変わってきたそうで、これからも変化していくのは確実であるけれど、自分自身はなるべく抗っていきたいなと思います。

2013/02/23

現役の国語の先生による、日本語の歴史の本です。
万葉仮名が用いられるようになる以前の、古代日本語に興味があったので読んでみました。
冷静に講義してくれるというよりも、情熱たっぷりの主張も入っているところがあって、純粋な説明文を求めていた僕としてはちょっと違和感がありました。
たとえて言えば、歴史学に関する講演を聞きにいったら、ある場面から急にイデオロギー臭のこもったアジテーションが始まった感じ。

2011/12/27

高校の先生から転職～１：日本語とは何か・２：万葉仮名・３：古代日本語の音韻・４：日本語の仮名遣い・５：日本語と漢字・６：現代語の問題点・７：日本語の未来～「やばい」ということばはヤバイです・ら抜きことばとれ足すことば，国語教育を古典（古文・漢文）の教科内容に重点をおいた言語教育にするべきだ・というのが主張。１９６４年，長野生まれ。國學院大學大学院博士課程修了（文学），明星大学通信制大学院修士課程修了（教育学）。都立高校教諭・主幹，國學院大學非常勤講師を経て，首都大学人文科学研究科准教授という経歴。大学に残ろうと考えたが，暫く高校の先生をやって，主幹になるにあたって教育学の修士を通信制で取って，それでも研究者の夢捨てがたく，母校で非常勤講師の声が掛かったので転職し，ようやく大学の先生になった・研究費を稼ぐ必要から，付き合いのあった教科書出版社から本を出した・研究成果としては従来通りで，編集者のアイディアで読みやすいタイトルと小見出しとイラストを付けた・・・って処かしら？