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ドストエフスキー 人類の知的遺産51
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ドストエフスキー 人類の知的遺産51

内村剛介(著者)

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ドストエフスキー 人類の知的遺産51

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 1989/07/01
JAN 9784061453517

ドストエフスキー

¥770

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2025/11/02

ドストエフスキーの文学ないし思想と生涯の簡明な紹介と、後世における受容の諸相についての解説のほか、ドストエフスキーの作品からの抜粋がふくまれています。 ドストエフスキーの文学作品からの抜粋としては、『罪と罰』『白痴』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』の主要四作品のなかから、「とりわ...

ドストエフスキーの文学ないし思想と生涯の簡明な紹介と、後世における受容の諸相についての解説のほか、ドストエフスキーの作品からの抜粋がふくまれています。 ドストエフスキーの文学作品からの抜粋としては、『罪と罰』『白痴』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』の主要四作品のなかから、「とりわけ思想の軋みを感じさせる箇所をえらんだ」と著者は述べています。『カラマーゾフの兄弟』では、もっとも有名といってよい大審問官の部分が抜粋されていますが、『白痴』ではムイシュキン公爵が癲癇を引き起こしたときのシーンが収められており、ドストエフスキーの作品における、特殊な時間体験に読者の眼を向けさせようとしています。 「まえがき」で著者は、「ロシヤ・ドストエフスキーをしてロシヤ・ドストエフスキーたらしめよ。けっしてヤマト・ドストエフスキー神社をおっ立てたりするな。ましていわんやそこの神官や氏子になっておみこしを担いだりするな」とみずからを戒めてきたことを語り、かつてのドストエフスキー受容が「ヤマト・ドストエフスキー」というべきものだったことを指摘します。 かつて米川正夫が翻訳をおこなった河出書房版全集によって、著者のいう「ヤマト・ドストエフスキー」はひろく人口に膾炙しましたが、江川卓や中村健之介などの研究を経て、現在の読者はそうした問題にとくに注意をはらう必要はなくなっているように思います。むしろ「ヤマト・ドストエフスキー」それじたいが、日本の文学史および思想史において果たしてきた役割を正しく把握することに関心のあるひとも多いのではないでしょうか。本書は、日本におけるロシア文学ないしドストエフスキーの研究が、「ヤマト・ドストエフスキー」からの離脱を図りつつある時代の雰囲気を反映しているように思います。

Posted by ブクログ