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アーティスト症候群 アートと職人、クリエイターと芸能人 河出文庫
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アーティスト症候群 アートと職人、クリエイターと芸能人 河出文庫

大野左紀子【著】

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アーティスト症候群 アートと職人、クリエイターと芸能人 河出文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2011/07/06
JAN 9784309410944

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商品レビュー

3.4

19件のお客様レビュー

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2021/11/20

本を読む前は、なんとなく「芸術に携わる人って、カッコいいな」と 良いイメージを抱いていました。 昔から絵を描くのが好きで、芸術分野の学校へ進もうか悩んだ時期もありました。 この頃から、芸術に身をおく人は特別、という先入観があったのかもしれません。 しかし、思春期の心に抱いた淡い憧...

本を読む前は、なんとなく「芸術に携わる人って、カッコいいな」と 良いイメージを抱いていました。 昔から絵を描くのが好きで、芸術分野の学校へ進もうか悩んだ時期もありました。 この頃から、芸術に身をおく人は特別、という先入観があったのかもしれません。 しかし、思春期の心に抱いた淡い憧れは 「有名になるのはほんのひと握りの世界なんだから、現実的になって。」という 親の一言で呆気なく散ってしまいます。 たまに、このことを思い出しては、 「あの時親の反対を押し切って芸術系に進んでいたら今頃は・・」と 空想に耽る時があるのですが、 この本を読んで、いかに自分が「アーティスト症候群」に陥っているか 思い知らされました。 私のように、「アート」「アーティスト」「クリエイター」という言葉に、 ”なんとなく”、”ぼんやり”憧れを抱いているような人は、 一度読んでみることをお勧めします。 筆者の歯に衣着せぬ批評のおかげで、 空想の世界から現実に一気に引き戻されました。 本書では、「アーティスト」という言葉が どのような時代的背景のもと生まれ、 現在に至るまでどのような存在として位置しているかを 絵画の歴史、資本主義社会におけるアートの扱い、欧米文化の流入など 様々な観点で説いています。 私にとって「現代アート」「アーティスト」という言葉は 当たり前のように存在していたもので、 それ自体に疑問を持つことはなかったのですが、 現代アートに触れた時の"居心地の悪さ"は気になっていました。 西洋絵画を見る際は、表現技法の変遷や派閥闘争など 様々な歴史的背景を併せて鑑賞し、 書き手の思いを汲み取ろうとする行為そのものに面白さを感じていたのですが、 現代アートの場合、いまいち楽しみ方がわからないことが多々ありました。 鑑賞する側の芸術に対する態度や知性を問う一方で、 作り手が何を考え、何を悩んで、一体私たちに何を訴えかけているのか 全くわからない、そんな感覚を覚えました。 だけど、本書内で、 現代アートは自己哲学に囚われた末の表現物であり、 表現の枠組みもかなり緩くなり、もうなんでもありな形になってしまっている、 という筆者の言葉が、そんな自分を救ってくれたように思います。 「なんでも鑑定団」と「誰でもピカソ」を対比させた章では、 番組の方向性や出される表現物の種類が大きく違えど、 アートや芸術が、いかに人の欲にまみれているものか皮肉を交えて解説。 審美眼を認められたい目利きとしての承認欲求、 優れた表現者としての承認欲求、 出演者それぞれには何かしらの認められたい欲求があるんだ、と鋭く指摘。 言葉には出てこない、人の深層心理を見抜く人なんだなぁ、と思いましたが、 筆者の真正面から受け取らない視点、意地悪な言葉選びも面白いです。 個人的に一番刺さったのは、「自分流症候群」の章でしょうか。 なぜ、「アーティストになりたい」若者で溢れかえっているかを 社会的な側面から考察している内容ですが、 誰とも違う自分という存在を世に知らしめたい、という承認欲求は、 今の社会からの「逃げ」の行き着いた結果なのだと思います。 生まれた時から格差は付いてまわり、 資本主義社会で競争せざるを得ない中で、 汗かいて働いても自分の老後は不安定、 会社もいつ潰れてもおかしくはない、 健康的な生活と家庭を持つという安定ルートを歩くのも一苦労。 目に見えて苦労するのがわかっている現代だからこそ、 今の人生悔いないように生きよう、 会社が守ってくれるという幻想は捨てて、 自分1人で立っていける食い扶持がなければ・・ そんな思考、人生を憂いた先に、 「自由」「自分らしさ」「とらわれない働き方」「手に職」という イメージで纏われた、アーティストやクリエイターという言葉に 惹かれる人が多いのではないのでしょうか。 当事者だからこそ、この非現実的な言葉に逃げる心は、 少しわかる気がします。 アーティストという言葉、職業は、もはや芸術分野の人たちだけの言葉ではなく、 現代社会の中で一般的になった言葉であり、 社会の閉塞感から逃れるために選ばれた言葉でもあると思います。 アーティスト、という言葉や存在が悪いというのではなく、 言葉を通して今の社会を見つめ、何が問題なのかを切り出す鋭い視点が とても面白いと感じる内容でした。 この筆者の作品を今後ももっと読みたいと思います。

Posted by ブクログ

2021/01/01

元アーティストという稀な肩書を持つ著者による、現代のアートとアーティストを取り巻く状況についての平易な解説。 先ごろ読んだアトリエインカーブの著者とは「アート」に関する定義からかなり異なると思われるが、両者の対論など見てみたい。

Posted by ブクログ

2020/03/02

技術を持ち世におもねず100%自分をかけているのがアーティスト。格差社会の中のオンリーワン幻想、アーティストというポジションは、膨れ上がる被承認欲と根拠ない万能感を抱えた若者の、夢の受け皿となっている。 日々の糧としての仕事vs余裕人のアートだったのが、いろいろなところに余裕が...

技術を持ち世におもねず100%自分をかけているのがアーティスト。格差社会の中のオンリーワン幻想、アーティストというポジションは、膨れ上がる被承認欲と根拠ない万能感を抱えた若者の、夢の受け皿となっている。 日々の糧としての仕事vs余裕人のアートだったのが、いろいろなところに余裕ができてきたから、アート需要ももアーティストも増えたのかな。

Posted by ブクログ

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