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狩猟と遊牧の世界 自然社会の進化 講談社学術文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1992/08/01 |
JAN | 9784061580244 |
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狩猟と遊牧の世界 自然社会の進化
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狩猟と遊牧の世界 自然社会の進化
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商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
遊牧民の「軍事力」が一種の余剰生産物の表出技法であったと考える著者の説はとても興味深いと感じた。ただ、筆者の記憶違いでなければ、今日において、中国における遊牧民との戦争は気候などの観点からそれなりに飢餓が関係していたのではないかと考える説もあったはず。 それと解説でも述べられて...
遊牧民の「軍事力」が一種の余剰生産物の表出技法であったと考える著者の説はとても興味深いと感じた。ただ、筆者の記憶違いでなければ、今日において、中国における遊牧民との戦争は気候などの観点からそれなりに飢餓が関係していたのではないかと考える説もあったはず。 それと解説でも述べられていたが、語り口調が論文調ではない。そのため、著者の主張がどこにあるのか、またその根拠はなんなのかといった部分がわかりづらい。
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やっとみつけた。しかも200円で。梅棹先生の本をあつめだして10年以上になるけれど、この本は絶対よみたいとおもっていた。で、中身はというと、ふーん、そうなんだ、というくらいで感動がすくない。ひとつには文体の問題があるとおもう。市民講座ではなされたもので、すごくていねいなことばづか...
やっとみつけた。しかも200円で。梅棹先生の本をあつめだして10年以上になるけれど、この本は絶対よみたいとおもっていた。で、中身はというと、ふーん、そうなんだ、というくらいで感動がすくない。ひとつには文体の問題があるとおもう。市民講座ではなされたもので、すごくていねいなことばづかいになっている。そのためか、どこまでが梅棹先生のつよい主張なのかがわかりづらい。それから、わたし自身の知識のなさがある。一般にどういう説が有力なのかをしらない。そのあたりのところは、谷先生の解説をよんでわかったというところです。ひとつなるほどとおもったのは、乳が完全食品であるということ。したがって、遊牧民は家畜のにくをたべようとするのではなく、乳製品をとっていたのだということ。どんどんころしていたのではかずが一気にへってしまう。いっしょに生活しながら、すこしずついただくという発想は現在につながるもののようにおもえる。さあ、これで梅棹先生のおもだったところでまだよんでいないのは女性論にかんするものくらいだろう。なんとしてもみつけてよみたい。 1976年発行 講談社学術文庫にはさまれていたチラシを見ると、学術文庫の創刊第1回配本だったようです。そうそうたる名前がならんでいます。今西錦司、柳田國男、桑原武夫、吉川幸次郎、朝永振一郎・・・。
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狩猟、遊牧、農耕といった生活形式が、人類史の中でどのようにして生まれてきたのかという問題に取り組んだ本です。 著者は、人類の生活様式を進化論的な観点から考察しようとします。ただし本書がめざしているのは、生物学の進化論を用いて人類社会の発展を説明することではありません。狩猟民族も...
狩猟、遊牧、農耕といった生活形式が、人類史の中でどのようにして生まれてきたのかという問題に取り組んだ本です。 著者は、人類の生活様式を進化論的な観点から考察しようとします。ただし本書がめざしているのは、生物学の進化論を用いて人類社会の発展を説明することではありません。狩猟民族も遊牧民族も農耕民族も、形態的な差異はほとんどないに等しいのに、人類の生み出した文明の形は多様を極めています。著者がめざすのは、こうした人類社会の多様な発展を説明できるような、いっそう包括的な進化論です。そこには、今西進化論から著者が継承した問題意識が息づいているように思います。 本書では、人類社会の進歩を単線的なものとして描き出したモルガン=エンゲルス理論が批判されています。人類史の大きなヴィジョンとして、(1) 自然社会、(2) 農業社会、(3) 産業社会という段階が見られることは事実ですが、自然社会から農業社会への発展を普遍的尺度に則った進化として理解するべきではないというのが、著者の立場です。 著者は、アフリカ、ヨーロッパ、アジアの旧大陸を、ツンドラ、ステップ、砂漠(オアシスを含む)、サバンナという4つの類型に分けて、ステップでは北方から入ってきた狩猟民族が遊牧生活を営むようになったのに対して、砂漠・オアシスでは農耕民の一部が家畜を伴ってオアシスの周辺部で遊牧生活を始めたのではないかという推測を述べています。人類は、さまざまな生態学的環境の中で多様な社会形態を作り上げてきたのであり、それゆえ人類史は複線的なものとして描かれるべきだというのが、著者の主張です。 200ページに満たない小さな本ではあるものの、人類社会の進化史という壮大なヴィジョンを描き出そうとする著者の雄渾な構想力が、存分に発揮されているように思います。
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