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“わたし"を生きる 女たちの肖像
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 紀伊國屋書店 |
発売年月日 | 2011/07/01 |
JAN | 9784314010788 |
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商品レビュー
4.4
7件のお客様レビュー
ジェンダーの視点をもったインタビューの名手が、綾戸智恵、上野千鶴子、宇津木妙子、木皿泉、北原みのり、北村明子、北村道子、澤田知子、長与千種、夏木マリ、野田聖子、萩尾望都、林文子、風神ライカ、本谷有希子、山田詠美といった女たちを書いている。著者の真骨頂らしいが周囲の人物、しかも幼な...
ジェンダーの視点をもったインタビューの名手が、綾戸智恵、上野千鶴子、宇津木妙子、木皿泉、北原みのり、北村明子、北村道子、澤田知子、長与千種、夏木マリ、野田聖子、萩尾望都、林文子、風神ライカ、本谷有希子、山田詠美といった女たちを書いている。著者の真骨頂らしいが周囲の人物、しかも幼なじみや家族、行きつけの店など、その人の「それ以前」や「それ以外」を知っていそうな人の話も聞いているところが素晴らしい。 登場する人々は2つに大別できると思う。女であることを意識しながらやってきた人と、意識しないでやってきた(と話す)人。でも、いずれにしても自分で自分の道を拓いてきた人たち。それも今となってはこともなげに、やりたいことをやってきた、道の開けるままにやってきたという。でも、著者の文章からは葛藤したりぶつかったり、岩や茨の道を拓いてきたのだと思わせる。 かなり偏見まじりの見方だが、男だったらこうだったろうか――と思う。もっとティピカルに自分のやりたいことをできる道への進み方が先人たちによる既得権益としてできているのではないだろうか。 これは、本書を読んだ直後に生演奏のジャズバーに行って思ったこと。ジャズマンたちは見事にジャズ“マン”だけだった。会社勤めじゃない、趣味が高じて仕事になっているような職業でも、それなりに食べていける道が男たちにはできているような気がしたのだ。対して、生活のための仕事をしながら稼げない好きなことを大切にしている女たちがけっこういる気がする。それどころか、好きなことをする余裕がない人すらも。
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281.04 上野千鶴子(のみ婦人公論掲載)、写真家澤田知子、元ダイエーCEO林文子、長与千種、萩尾望都、木皿泉、北原みのり、山田詠美、本谷有希子…AERA「現代の肖像」に掲載されたもの
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いやもう熱い。ページから熱気が立ちのぼってくるようだ。先行作に当たる「この国で女であるということ」を読んだときの、強烈なパンチをうけたような感じが長く残っていて、これはなかなか読めなかったのだ。好きだとは言えないのにずっと忘れられない希有なシリーズ。 島崎さんのインタビューは、...
いやもう熱い。ページから熱気が立ちのぼってくるようだ。先行作に当たる「この国で女であるということ」を読んだときの、強烈なパンチをうけたような感じが長く残っていて、これはなかなか読めなかったのだ。好きだとは言えないのにずっと忘れられない希有なシリーズ。 島崎さんのインタビューは、本人だけでなく周辺にも徹底的に取材することで知られているが、いったい対象一人にどれだけの時間と労力が注ぎ込まれているのかと思う。こういうのを読むと、通り一遍の取材記事なんか読んでられなくなる。 山田詠美、夏木マリ、綾戸智恵、萩尾望都、上野千鶴子…、そうそうたる顔ぶれが並ぶ。有名人ゆえ知っているような気になっていた人が、生身の体で、声で、迫ってくるようだ。誰にだって、その人が生きてきた上での悩み苦しみがあるのは当たり前だが、突出した才能を持ち、人並み外れた努力をしてきた人たちというのは、その陰影が濃いものだなあと思う。空恐ろしくすらある。どの人も、何かが過剰であり、何かが足りない。 それでもやはり心うたれるのは、「女」として生まれたことでぶつかる葛藤に、世代が違っても共通したものがあって、そこに共感するからだろう。みんな戦っていて、みんなどこか痛々しい。凡人はとてもこの人たちのように戦えないが、その「戦意」は共有できる。読みとばすことのできない重さは、そこあたりから来るのだろう。
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