進化地図

スティーヴン・ジェイグールド【監修】, ロジャーオズボーン, マイケルベントン【著】, 小畠郁生【日本語版監修】, 池田比佐子【訳】

• 販売会社／発売会社: 河出書房新社
• 発売年月日: 2011/06/27
• JAN: 9784309252452

商品レビュー

2012/07/16

推薦理由：
　大陸の移動や地理的環境が生物の進化と繁殖分布にどのような影響を与えてきたかを、多くの地図と図版を使って解説している。各ページを眺めるだけでも興味深い進化の地図である。

内容の紹介、感想など：
　生命が地球に誕生してから37億年。微生物で始まり、昆虫類、魚類、両生類、恐竜、被子植物、鳥類、哺乳類と様々に進化を遂げてきた生物は、現在、数え切れないほどの多様性を持って世界中に分布しており、また多くの種が既に絶滅している。
　本書は、生物の進化を、時代を追って述べるものではない。多様性と自然選択、生命の歴史の全体像、人類がもたらす影響など、進化の地理的側面について様々な切り口で説明しており、生物の進化が、地理的空間と進化時間の相互作用によるものであるという、生物進化のダイナミズムが視覚的に示されている。そして、チャールズ・ダーウィンが『種の起源』で述べた進化論の正しさを随所で確認できる。教科書で習う進化論を、地図や図版を多用した解説で分かりやすく示しており、変興味深い。
　大判サイズの図鑑で、約250の地図と約450の図版が載せられている本書は、見開きページでひとつのトピックがまとめられていて理解しやすく、各ページに美しい地図と図版が豊富に掲載されている。個人で購入するのには少々値が張るこのような本こそ、図書館の蔵書を利用して読んでもらいたい。

2012/03/12

そもそも生物の進化というのは、変異と淘汰というシンプルな原則で説明できる。一方、その実際の結果としての生物相は非常に複雑である。距離と時間の両面において、大陸移動や氷河期などの地球規模の変動の影響もあり非常に多様性のあるものになっている。
本書は、その豊かな様相をカラフルな図解で表現したものである。

進化を絵と地図で見て実感する、そういう本。

2011/07/01

第1部　変化と移動、進化の要因
第2部　地球上の生物と進化の地理
第3部　生物のパターン
年表／用語解説／索引／参考文献／謝辞／図版出典