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「持たざる国」の資源論 持続可能な国土をめぐるもう一つの知
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京大学出版会 |
発売年月日 | 2011/06/23 |
JAN | 9784130331012 |
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「持たざる国」の資源論
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商品レビュー
3.7
8件のお客様レビュー
学問の深み、知の挑戦。 とても刺激を受ける。 統合化と実践の試み。 ディスシプリンへの挑戦。 うーん、かっこいい。 いつか一緒に仕事をしてみたい人だ。
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『「持たざる国」の資源論』を読んで。 多くの場合、資源は経済財と捉えられる。産業の原料になる物質という意味で使われるために、日本は資源が乏しい国だと言われる。しかし、資源を広義に解釈すれば、アジアにおける日本の地理的位置、長い海岸線、恵まれた良港、温和な気候、豊富な水資源等の資...
『「持たざる国」の資源論』を読んで。 多くの場合、資源は経済財と捉えられる。産業の原料になる物質という意味で使われるために、日本は資源が乏しい国だと言われる。しかし、資源を広義に解釈すれば、アジアにおける日本の地理的位置、長い海岸線、恵まれた良港、温和な気候、豊富な水資源等の資源に恵まれた国だと考えることも出来る。 資源を経済財と捉えているために、短期的な消費の維持拡大に偏ってしまう。資源の非経済的な側面に光を当てることで、生態系や環境等を含む政策を考える土壌となるだろう。 生物学者のギャレット・ハーディンが「技術的に解決不可能な問題」について述べている。例えば、人口爆発と資源枯渇が挙げられる。人口抑制のために、避妊技術の改善が行われていても、それを受け入れない家族が子だくさんになることで人口爆発が起こってしまう。人口が増えれば、個別製品に省エネ技術を適用しても資源消費の総量は増加してしまう。「大量消費の文化をそのまま保存して、その枠の中で個別の技術的改良を繰り返しても問題の本質的な解決にはならない」と考えられている。 現在の高度な専門化にも問題が存在する。高度な専門化がなされたことによって、専門の範囲においては効率的、効果的な資源利用計画を作ることが出来るようになった。しかし、生態系全体を見るバランスを欠き、専門外への影響の考慮もれが発生する。「資本主義と市場経済の論理に支配された資源利用は、現場にあったはずの資源の一体性を見失わせ、経済活動の物的基礎である自然環境を破壊することになりかねない」と筆者は述べている。 環境問題は、自然を支配の対象として見る人間社会に起因している。環境問題を本質的に解決するには、根底にある資源の考え方を改める必要がある。「対象(自然)と主体(人間)を切り離すのではなく、相互に影響し合う一体的なシステムとして捉えようとする努力は、近代化が忘れさせた知の回復に向けた最初の一歩なのである。」 広義の資源と農村の関係を考えると、距離による農村の資源的劣悪条件を取り除くために、輸送や通信を改善することで農村の労働力を地元に引きとめることが可能になるかもしれない。農村の資源環境を改善することで、農村の賃金向上の可能性があり、生活水準の向上が見込める。「集中化ではなく、分散化」をし、「平均的な国民所得の上昇ではなく、底辺にある人々の生活水準の上昇」を目指すことを筆者は挙げている。 資源=原料という考え方が主流である。この考え方に基づき、「持たざる国」意識による海外での原料確保論が掲げられてきた。しかし、問題の本質はモノの不足ではない。モノの先にある可能性を見ようとしない知恵の不足が問題なのである。 今後は「日本の国土には何があるのか、どのような可能性が広がっているのか、を世界的な視野から真剣に考える人材が必要」となってくるだろう。文系、理系といった垣根を取り払い、より総合的な世界観を獲得できるような教育が必要である。そのために、自己表現、意見交換の作法、議論集約の方法論、教養教育、リベラルアーツといった教育が今後重要になってくると考えられる。
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抽象的な議論が続くため中々難しい。しかしながら、わが国における資源論の変遷を通じて、その転換をすべき時期にあることを唱えている。読みが浅いからロクなレビューが書けない。 皆さん良いお年を。
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