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お菓子とビール 岩波文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2011/07/19 |
| JAN | 9784003725054 |

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商品レビュー
4.2
32件のお客様レビュー
『人間の絆』『月と六ペンス』よりも読みやすい気がする。 そして両作の要素がかなり入っている作品。女性との切れない絆(むしろしがらみ)や逝去した芸術家の半生をたどる試みなど。 作中の、イギリスの身分制度及びその中にいる人々の倫理観だとか、作家という職業についての考え方だとか、細...
『人間の絆』『月と六ペンス』よりも読みやすい気がする。 そして両作の要素がかなり入っている作品。女性との切れない絆(むしろしがらみ)や逝去した芸術家の半生をたどる試みなど。 作中の、イギリスの身分制度及びその中にいる人々の倫理観だとか、作家という職業についての考え方だとか、細々したものが当時のイギリスの習俗を伝えてきて、まさに異国の物語だなあという読み応えを感じさせましたね、ええ。 ほんのりネタバレ多くなります。 題名の「お菓子とビール」はシェイクスピア『十二夜』などにある言葉で、「人生を楽しくするもの」「人生の愉悦」というような意味、つまりロウジーを指すらしいですね。本作中にはビールもお菓子もあまり印象的には登場せずだったので、解説を読んで納得。副題は「人に知られたくない家庭の秘密」とのことだけど、これまた納得。 今回興味深かったのは、実は本編よりも解説と年表。長年「なぜモームはこんなにも女心を描くのが上手いのか」と疑問だったけれど、同性愛(女性とも付き合っているので両性愛?)者なのね。 同性愛者が皆女性的な一面を持つとは思わないけれど『きのう何食べた?』のケンジとかジルベールみたく乙女な方々も一定数いらっしゃるのは事実だと思う。モームがどちらなのかはわからないけれど、これだけ見事に女性の内部を描ける彼は、きっと乙女な一面も持っていたのではないかなと想像。 そして、それぞれのキャラにはモデルがいるだとか、モームのさまざまな経験がいろんな作品に生かされているとか、割と事実そのまま書いちゃう系の作家さんなんだなーと面白く思ったとです。 私は実はモームは短編の方が好きなんだけど(「アントワープの三人の太っちょ女」が最高に好き!)、長編もやっぱり面白いっすね。 余談&超個人的な話ですが、これ、ダブり本です。しかも同時期に買ってしまった…。兄ちゃん、なんで本、すぐダブるん?私の中の節子が言ってます…。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「急用」という伝言は自身にとってではなく相手にとってであることが多いから放っておくという姿勢や、 ちょっと面倒に思っている相手との旅路で「話しかけないなら一緒の電車に乗る」と返すところ、 多くの職業は70歳を過ぎると適任でないと思われるのに政治家は円熟しているとみられてそもそも(結果から判断すると)高度な知性は必要ないと切り捨てる見方など、 もう、こういうところが好き!というモーム節が光っていて良い。 文章を読む楽しさをしみじみ感じる作品になっている。 主人公にさんざん語らせておいて、最後ロウジーにジョージを「紳士だった」と言い置かせたところ、この物語はあくまでアシェンデンが自分の価値を通してみた物語で、ロウジーは別の見方をしていたという当たり前のことに気付かされて胸を突かれる。 老作家の自伝を書くという設定も、自分の物差しにおいて世界を構築するというモチーフに繋がっているように感じられた。
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世間に見える顔は仮面で、彼のなす行為には意味はないのだ。真実の彼は、死ぬまで人知れぬ孤独の存在であり、「本を書く作家」と「人生を送る個人」との間を音もなく行き来する幽霊だったという印象を僕は持った。
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