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忘れられた王国 一九三〇-四〇年代の香格里拉・麗江
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忘れられた王国 一九三〇-四〇年代の香格里拉・麗江

ピーターグラード【著】, 由井格【監修】, 佐藤維【訳】

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忘れられた王国 一九三〇-四〇年代の香格里拉・麗江

定価 ¥2,970

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 社会評論社
発売年月日 2011/06/22
JAN 9784784513406

忘れられた王国

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商品レビュー

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2019/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1930~40年代の麗江での暮らしを、ロシア人医師の視点で文化的・民族的背景を考察しつつ書いた自伝的記録。 面白すぎたため、私は1日で一気に読んでしまったが、数日かけて背景を調べつつ読んでも良いかと思う。 エッセイのように気楽に読み進めることができる文章および構成であり、筆者と現地の人々との交流の様子、人々の何気ない暮らしを外国人の視点から切り取って描いた章、「事実は小説より奇なり」と言わしめるエピソードまであり、飽きることなく読み進めることができた。 外国人の視点から切り取ったがゆえの考察は、われわれ日本人にも麗江周辺の少数民族を理解する助けになると感じた。 文章のそこかしこに筆者の教養の高さがうかがえ、それが考察に深みを与えている。また筆者は冒険心をも持ち合わせており、その行動力や決断力による体験・エピソードは読んでいてわくわくするもので、筆者に対して好感を持った。 麗江に行くまでの旅、山賊と出会うが、その中の一人の命を昔救ったことがあったため山に登る手助けをしてくれたこと。麗江についてからの現地の人々との交流、ナシ族の友人たちとその文化背景、医療助手としての経験を活かしての治療、山賊でもあるラマ僧との交流、スパルタのような黒イ族の人々、チベット族。良い薬は苦痛を伴うとの現地の人々が考えていたため、わざわざ苦痛を与えるように治療したら喜ばれたこと。チベット族の山賊と中国人・ナシ族の山賊では、後者は物を奪うが近くの村へ行っても体裁をつくろえるように解放してくれて、女性に対しても寛大であること、前者は基本的に死人に口なしとの考えであること。にもかかわらず、チベットの山賊の若者の一人を自宅に泊めて友情をはぐくんだこと。ナシ族の若者たちの自殺と家同士がきめる婚姻制度について。精霊への考え方。協同組合をつくったこと。近くの地域での反乱と闘い。共産主義の広がりと麗江がそれに飲み込まれたこと、麗江との別れ。

Posted by ブクログ

2019/03/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最高に面白かった!ここ最近で1番の本。 1930〜1940年代に麗江に住み工業協同組合のような合作社を起こしたピーター・グラードの実録冒険譚。 日中戦争時の混乱で海岸沿いが封鎖されたなかキャラバンに乗って昆明から麗江へ向かい、山賊に遭うも以前に命を助けた男の親戚ということで見逃され、現地で様々な民族と仲良くなっていく。 当時の少数民族のエピソードが目白押し。 写真もあり。 麗江は雪解け水の小川があちこちに流れヴェネチアのような都市で交易地となりナシ族を中心に多数の民族が集まっていた。 仏教や儒教もゆるく酒と踊りと恋愛を愛する人々。 ナシ族は女性が強い。名目上男が上だが男は何もせずアヘンを吸ってだらだらしてるだけ。商売は全て女が仕切っており働き者。 モソ人は多夫一妻性で家の相続権は女。 モソ人は美形が多く自由恋愛や夜這いも盛んだが性病も蔓延。だが長年の風習でモソ人は性病に対する耐性が強い。他の民族は耐性がないのでモソ人には手を出さないようにしていた。 山賊も多く、中には残忍な者たちもいた。 ほぼ全てが山賊の地域もあり、その地域のラマ僧も山賊のボスだしその地域の若い少年を助けて周囲の警告もきかず家に泊めて仲良くなったり、盗賊の女頭領に求婚されたり。 スパルタの人々のような黒イ族とその奴隷となっている白イ族。 医者もできた筆者は現地の人々を治療したが、痛くないと効いてない怒る人々のために、わざと痛く治療してあげ感謝されていた。 麗江とその周辺は気軽に自殺が行われており、結婚できない恋人たちが自殺したり、汚名をきせられ自殺したり。トンバの僧たちも、自殺しても地獄には落ちないと自殺を止めない。なぜなら自殺者を鎮める儀式は高額でありいい収入になったから。 最後は中華民国の混乱に乗じた麗江総出の戦いと、その後の中国共産党化で麗江の平穏は消え失せ脱出する筆者。激動の時代だった。 切ない終焉。当時独自の文化で繁栄した麗江の最後の時代を記録したこの冒険譚と筆者の麗江への愛が溢れる名著。 麗江旅行の予習として読んだけど、これで麗江を何倍も楽しめそう!

Posted by ブクログ

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