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おとなになれなかった弟たちに…
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 偕成社 |
発売年月日 | 1983/11/01 |
JAN | 9784039632005 |
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おとなになれなかった弟たちに…
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商品レビュー
4.5
17件のお客様レビュー
国語の教科書に載っているのを読んで、わかっていたつもりの戦争の厳しさ、悲しさ、つらさなどが、全然わかっていないことに気づいた。
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※このレビューにはネタバレを含みます
昔、国語の教科書に載っていたのを思い出して再読しました。 小学生の頃に読んで悲しいな、と主人公目線で感じていたけれど、大人になった今、母親の気持ちが痛いほどわかるようになり号泣しました。 戦争によるストレスで母乳が出なくなる、弟のためのミルクを兄に盗み食いされても戦時中ひもじい思いをしていることがわかるから怒れない、ついに栄養失調で死んでしまった弟の遺体の小ささと大きくなった姿に改めて哀しみが込み上げてくる。 母親はずっと自分を責めながら世界と戦っていたんだろうな…こういう「弟」が、当時は多くいたんだろうな…大人になって突き刺さる作品だけど、子供の頃に読めてよかったと感じる作品。
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※このレビューにはネタバレを含みます
終戦記念日に読みました。 主人公の少年は、生まれたばかりの弟が可愛くてしょうがない、でも飢えに耐えきれず弟のミルクを盗んで飲んでしまう。罪悪感に涙しながら。 この家族は父が兵隊になり、母、少年、小さな妹、赤ちゃんの弟、祖母の5人。 親戚にも冷たくあしらわれた日、その帰り道の母の顔はとびきり悲しそうで、でも強くて美しかったという。 弟が死んだ日は、夏の青空にB29がキラキラ光って美しかったという。 悲しみの中の美しさというのは、どうしてこんなに無垢なのだろう。 弟も無垢だ。お兄ちゃんにミルクを飲まれた、なんて知ったり恨んだりすることさえまだ知らないまま死んでしまった。 それでも母は、「ひろゆき(弟)は幸せだった。空襲で死んだらもっと不幸だった」と、まるで少年と自らに言い聞かせるようだ。 疎開先で作ってもらった小さな棺に弟が入らなかったとき、気丈に振舞っていた母が「大きくなっていたんだね」と泣き出す…足を曲げて棺に入れてやる。 これが本当の話だというのがやりきれない。 豊かな時代にあると、わからない感覚をこうして絵本で学び想像するしかできない。でもこんな悲しい思いを子供達にはさせたくないと強く思う。みんなが読んで欲しい。私は絶対に戦争に反対する。 タイトルの「弟『たち』」は、同じ思いをしたたくさんの人に宛てたため複数形になっているのだろう。 後書きには、ひもじさや弟の死を忘れまいということと、日本が始めた戦争であったこと、そのためにアジアのたくさんの国の人々が自分よりももっと悲しい思いをしたことも忘れまいと書かれていた。私も忘れないようにしよう。 この人は自らが戦争の被害者でありながら、日本の加害性についても思いいたしている。
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