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白き瓶 小説 長塚節
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白き瓶 小説 長塚節

藤沢周平(著者)

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白き瓶 小説 長塚節

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 1985/11/01
JAN 9784163087504

白き瓶

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2013/07/31

藤沢周平といえば時代小説の大家なのにこの作品は見事な伝記小説。 一説によると石川啄木を依頼されたが長塚節を書くと譲らなかったらしい。 啄木も長塚節も共に藤沢と同じ東北人であり結核を病んでいた。 啄木より長塚を書きたいと思ったのはなぜだろう。 原稿用紙で1000枚を超える長編小説を...

藤沢周平といえば時代小説の大家なのにこの作品は見事な伝記小説。 一説によると石川啄木を依頼されたが長塚節を書くと譲らなかったらしい。 啄木も長塚節も共に藤沢と同じ東北人であり結核を病んでいた。 啄木より長塚を書きたいと思ったのはなぜだろう。 原稿用紙で1000枚を超える長編小説を読み終えて漠然と藤沢周平という作家の顔が見えたような気がした。 伝記というのは資料集めが大変で、どの資料を使うかで頭も悩まされる。 この時代だからこそ手紙なども残っていたのねと少し羨ましい。 とはいえ、資料が多いほど年代別に整理するのは困難な仕事。 長塚節といえば小説の『土』しか知らないし読んでもいないが、歌人としては著名で清冽な短歌が多い。この本のタイトルの元になったのが 《 白埴(しらはに)の瓶こそよけれ霧ながら朝はつめたき水くみにけり 》 この本は正岡子規没後、俳句は「ホトトギス」として高浜虚子が受け継ぎ、短歌は「根岸短歌会」として伊藤左千夫に引き継がれた。根岸短歌会は「アララギ」へと発展し斎藤茂吉、島木赤彦、土屋文明、釈迢空、」原阿佐緒などなど多数の歌人を生み出した。 この本はまるで子規没後の短歌史を読んでいるような気がした。 伊藤左千夫の人となりや茂吉の反骨精神などいろいろな知識も与えてくれた。きら星のように知った名前が出てくる。 長塚節に関しても私的部分は最小にとどめ短歌や家業(大地主)無数の旅、病気との闘い。それにちょっぴり恋も添えて書かれている。 読むのが苦労だった。この酷暑の中でどんどん暗くなっていった。 辛かったが、溜息無数つきながらもせかされるように読み終えた。 真実と作者の目から見えたものとはどれくらいの差があるのだろう。 そんなことも考えるけれど「土」は読まないだろうな。この本で十分。 長塚節は35歳で結核で亡くなった。 本書は作者の長塚節への思いで溢れている。

Posted by ブクログ

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