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現代文明論講義 ニヒリズムをめぐる京大生との対話 ちくま新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2011/06/08 |
JAN | 9784480066145 |
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現代文明論講義
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現在、世界はニヒリズムの危機に瀕している。そしてその最たるは日本である。ニヒリズムとは従来当たり前であった絶対的な価値の崩落、それによる人間の生き方の頽落、そんなところを意味するらしい。例えば絶対的な価値、「人間の命」に対してなぜ人間の命を奪ってはいけないのか、それに対する明確な...
現在、世界はニヒリズムの危機に瀕している。そしてその最たるは日本である。ニヒリズムとは従来当たり前であった絶対的な価値の崩落、それによる人間の生き方の頽落、そんなところを意味するらしい。例えば絶対的な価値、「人間の命」に対してなぜ人間の命を奪ってはいけないのか、それに対する明確な答えが出せない。そんなニヒリズム状態を脱すべく佐伯先生と京大の学生たちとのディスカッションという形を交えながら話が展開していく。政治などが苦手な僕にとってもわかりやすい説明で読書が捗ったが最後の哲学思想のところでわからなくなった。
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京大の佐伯啓思教授が、ハーバード大学のサンデル教授の白熱教室に着想を得た行った京大生との対話型の講義をまとめている。テーマは、著者が現代文明、特に現代日本社会の最大の課題だと認識する「ニヒリズム(=最高の諸価値の崩落)」である。ニヒリズムが現出しているさまざまな現代社会の問題につ...
京大の佐伯啓思教授が、ハーバード大学のサンデル教授の白熱教室に着想を得た行った京大生との対話型の講義をまとめている。テーマは、著者が現代文明、特に現代日本社会の最大の課題だと認識する「ニヒリズム(=最高の諸価値の崩落)」である。ニヒリズムが現出しているさまざまな現代社会の問題について考えるとともに、ニヒリズムをいかに乗り越えていくかについて考察している。 「なぜ人を殺してはいけないのか」「沈みゆくボートで誰が犠牲になるべきか」という根源的な問いから始まり、民主党政権の問題や尖閣諸島の問題、日本国憲法の問題など時事的な話題に触れ、最後にニヒリズム克服にあたっての日本思想の可能性に言及している。自分の立ち位置について考えさせてくれ、良い刺激となった。また、対話をベースとする講義録なので読みやすく、佐伯氏の主張のよき入門書にもなっている。ただ、京大生との対話が白熱しているかというと、やや予定調和的で少し物足りないという印象も受けた。 佐伯氏の主張自体については、ニヒリズムが根源的な問題ということや、民主主義をうまく機能するには、民主政治の中に民主主義的でないような要素をうまく取り入れることが必要という指摘など、共感するところもあったが、総体としては違和感を覚えた。それは、自分が、価値相対主義にシンパシーを感じているということが影響している。佐伯氏は、価値相対主義は救いようのない矛盾を生むと主張しているが、そもそも命を賭けてもいいと思えるような至高の価値を前提とするから矛盾と感じるのであって、それぞれの人がそれぞれ大切と思うような価値をそれなりに持って共存するということのどこがいけないのだろうか。一種の刹那主義かもしれないが、自分としてはそれでいいのではないかと思う。 また、西田哲学を代表とする日本の「無の思想」の持つニヒリズム克服の可能性については、言わんとすることはわかるような気がするが、もう一つ十分に理解ができなかった。 あと、本筋の議論ではないが、第七講での、天皇理解(天皇の非政治性)は少し皮相的かなと感じた。
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サンデル教授の本がヒットして、その後、何匹ものドジョウを捕まえようと、似たような本が出版されていますが、本書もその1冊・・・とは、私は思いません。サンデル教授の本自体は売れ過ぎたので読んでいませんが、テレビは何度か拝見しました。確かに話の持って行きようはうまいと思います。本書では...
サンデル教授の本がヒットして、その後、何匹ものドジョウを捕まえようと、似たような本が出版されていますが、本書もその1冊・・・とは、私は思いません。サンデル教授の本自体は売れ過ぎたので読んでいませんが、テレビは何度か拝見しました。確かに話の持って行きようはうまいと思います。本書では、そこまで学生の考えを引き出せていないような気もします。それでも、本書からの気付きはたくさんあります。現代の日本文明を「ニヒリズム」で特徴づけ、そこからいかに抜け出すかのヒントがあります。皆の生命を尊重するあまり、結局全員が死んでしまう救命ボートの話。(10人乗りの救命ボートに11人が乗り込もうとする。だれが犠牲になるのか。年寄りか、犯罪者か、全員の命が同等に大切であるとすると、全員が死なざるを得ない。)ここでも、三島由紀夫に出会いました。晩年(1970年ころ)のことば。「私はこれからの日本に希望をつなぐことができない。このまま行ったら日本はなくなってしまうのではないか・・・その代わりに、無機的な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜き目がない、ある経済大国が極東の一角に残るのであろう。それでもいいと思っている人たちと、私は口をきく気にもなれなくなっているのである。」西田幾多郎は結局50ページほどで挫折したままですが、本書で少し、ほんの少し分かった気がします。
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