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神様のカルテ(1) 小学館文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 小学館 |
| 発売年月日 | 2011/06/07 |
| JAN | 9784094086188 |
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神様のカルテ(1)
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神様のカルテ(1)
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商品レビュー
4
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一人の医師が、長野の地方病院という過酷な環境の中で、医者のあるべき姿や、友人や家族との向き合い方、そして生と死について、等身大に悩み続ける姿を描いた物語。 作中で、 「『良い医者』にはなりたい。だが何をもって『良い医者』とするのか。これは我が脳中にする至上の難題である。」 という言葉が登場する。 この一節には、本作の姿勢がよく表れているように思う。 「あるべき姿」はあるのか。あるとして、それは何なのか。そもそも正解など存在するのか。 病気や死をはじめ、人生には理不尽な出来事が数多く降りかかる。 本作は、そんな「ままならないもの」を解決しようとする物語ではない。答えのないものに対して、それでも誠実に向き合い続けることの尊さを、等身大の視点で教えてくれる作品だった。 また、長野という土地の描写も本作の大きな魅力である。 雄大な自然の中で、病と向き合う人々の日常が静かに息づいている。その魅力が詰まった一節を引用したい。 (以下引用) 『安曇野の向こうに連なる北アルプスが、乗鞍、常念、爺ヶ岳、鹿島槍、と、名高い名峰ことごとくくっきりと稜線をあらわにし、驚くほど近く見える。絶景と言っていい。(中略)安曇さんは、最初の感嘆の声をあげたあとは、言葉もなく目を細め、まぶしげに北アルプスの山々を見つめている。その心に去来するものは、故郷の記憶か夫との思い出か、我々が知る由もない。ただできることは、黙ってそばについていることだけである。幸い今のところポケットの中の院内PHSは静かに沈黙を守っている。(中略)「最後の最後にこんな幸せな時間が待っていたなんて、本当に人生というものはわからないものです」』 この場面に象徴されるように、本作は病気を治すことだけが人を救うことではない、と教えてくれる。
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いい物語だ。人の形。生活の形。人生の形。お医者様の形。お医者さんにも人生がある。が、ただ人より生死に触れる機会が多く、そして大切なものもある。人間としてのお医者さんを書いてくださったことが嬉しく、心地よかった
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『神様のカルテ』を読んでまず感じたのは、これは地方病院で奮闘する医師の物語ではなく、「人を救う」とは何を意味するのかを静かに問い続ける作品だということだった。 舞台は、深刻な医師不足に悩む地方病院。主人公の栗原一止は、昼夜を問わず患者と向き合い続ける内科医である。過酷な勤務の中...
『神様のカルテ』を読んでまず感じたのは、これは地方病院で奮闘する医師の物語ではなく、「人を救う」とは何を意味するのかを静かに問い続ける作品だということだった。 舞台は、深刻な医師不足に悩む地方病院。主人公の栗原一止は、昼夜を問わず患者と向き合い続ける内科医である。過酷な勤務の中で、末期がん患者との出会いと別れ、大学病院への転職という選択、そして家族や仲間との日常を通して、自分がどんな医師でありたいのかを模索していく。命の危機が次々と訪れる医療ドラマではなく、一人の医師が患者の人生と向き合いながら、自らの生き方を見つめ直していく物語である。 この作品が描いているのは、医療の最前線ではない。命には救えるものと救えないものがあるという現実を前に、それでも医師は患者に何ができるのかという問いである。一止は決して天才医師ではなく、自分の無力さに何度も苦しむ。しかし、そのたびに患者を「病気」としてではなく、「人生を生きる一人の人間」として見つめ続ける。その姿勢が、この作品を単なる感動的な医療小説では終わらせていない。医療とは病気を治す技術である以前に、人の人生に寄り添う営みなのだということが、一止の日々を通して自然と伝わってくる。 印象的だったのは、病院の外で描かれる穏やかな時間だった。妻・ハルとの何気ない会話、御嶽荘での暮らし、親友たちとの交流。そのどれもが派手な場面ではない。それでも、その静かな日常があるからこそ、一止は命と向き合い続けることができる。読んでいて何度も考えたのは、人を支える力は特別な瞬間だけで生まれるものではなく、何気ない日常の積み重ねから生まれるのではないかということだった。患者に寄り添う医師にも、寄り添ってくれる誰かが必要なのだという事実が、とても温かく描かれている。 そして心に残ったのは、この作品が死を敗北として描いていないことだった。どれほど優れた医師でも、すべての命を救うことはできない。しかし、その人らしく最期まで生きられるよう支えることはできる。その考え方が物語全体を貫いているからこそ、別れの場面にも悲しみだけではない静かな尊厳が宿る。一止が悩み続けた「良い医師とは何か」という問いは、そのまま「人と向き合うとは何か」という普遍的な問いへとつながっていく。 『神様のカルテ』は、命を救う医師を描いた物語ではない。限られた命の時間の中で、その人らしく生きられるよう寄り添い続けることの意味を描いた作品である。読み終えたあとに残るのは、医療への感謝や感動だけではない。誰かを本当に支えるとは、相手の人生を変えることではなく、その人の人生に最後まで誠実に寄り添うことなのではないかという静かな問いだった。
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