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感染症と文明 共生への道 岩波新書
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2011/06/23 |
| JAN | 9784004313144 |

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商品レビュー
4.1
38件のお客様レビュー
人生が平均して80年近くになった現代社会。寿命が長期化する理由には、食生活や住環境の充実もあるが、医療技術の進歩によって、以前なら死に至らしめた病気が次々と克服されていった事が大きな要因だろう。元来、人の体の中には様々なウイルスが存在し、それを上手く抑え込みながら、病状として表面...
人生が平均して80年近くになった現代社会。寿命が長期化する理由には、食生活や住環境の充実もあるが、医療技術の進歩によって、以前なら死に至らしめた病気が次々と克服されていった事が大きな要因だろう。元来、人の体の中には様々なウイルスが存在し、それを上手く抑え込みながら、病状として表面化せず共存を図ってきた。かくいう私も二十代後半で発症した病気により1ヶ月程度猛烈な痒みを伴う湿疹に苦しめられた事がある。今でこそ笑って話ができるが、当時は昼頃(ウイルスは午後に活発化するものだった)を過ぎると、全身に極度の痒みが現れ、見た目も最悪なぶつぶつが顔から足のつま先、鼻の穴の中、耳の中までびっしり出現し、掻いても掻いても止まない痒みで、ガソリンを被って身体ごと焼き払いたいとまで思った。かかり始めに訪れた医者の診断では「それ」は大半の日本人が菌として持っているが、発症するのは30万人に1人と言われた。当時の生活といえば、大きな仕事を任されて失敗できないプレッシャーもあり、徹夜が日常的になり食生活は極端に乱れた。脈は40を下回り、身長に対する平均的な体重は、70キロに対して48キロと、恐らく当時の私の中には抵抗力というものはまるでなかったに違いない。 人は古代より様々な感染症に悩まされ、時には村が丸ごと一つなくなるような病原菌も現れた。近年は新型コロナが特に大きな社会問題にまでなったが(本書はコロナ流行の10年前に書かれたもの)、爆発的な流行は人々を恐怖に陥れ、家の中に閉じ込めた。それでも次々と現れる派生系のウイルスの波は、寄せては返す波のように、人々の行動や意識に深く作用してきた。漸く乗り切って克服したかのように見えても、依然としてそれにより亡くなる人は後を絶たない。人間がこうしたウイルスに出会うには様々な経路があり、それは感染者の生活・行動パターンに影響される。当たり前だが、ウイルスを媒介する他の生物が「夜間の水の中にいる」と仮定するなら、夜に水に入って泳がなければ良いだけだ。だがそうした行動で生計を立てる者がいれば、感染する確率は非常に高くなる。人類が生まれた頃のチグリス・ユーフラテス川流域、黄河流域などはそうした川の流れという自然の力も得て、ウイルスや病原体は拡散されていった。移動手段の発達や生活方法の変化、生産技術の変化、それがもたらす自然環境の変化、あらゆる変化が、これまでの人類に試練として与えてきた感染症。その度に多くの死者を出し人類の数量調整が行われてきたように見える。人類は環境を破壊するし、大地の形すらも容易に変えていく。もしかしたら病原体はそうした人類に対する警鐘であるのかもしれない。新型コロナ流行で北京に青空が戻ったという現象は、勿論外出しなければ車から排気ガスも出ないから当たり前のような話ではあるが、人間が地球を汚し続けていたという典型的な例になった。 そしてウイルスの生存意欲によって、宿主を殺す事なく弱毒化し、合わせて感染者増加で集団免疫ができる事でウイルス自体が長期に生存できるようになる。この繰り返しが人類の歴史となっている。HIV(エイズウイルス)によって人類が守られているのではないかという話にも納得がいく。勿論感染すれば本人の長期間の戦いが始まる訳だが、行動や思考を変えて注意しながら生活することは、他の感染症に罹るリスクも必然的に減るであろうし、投薬により更に生存確率は長期化できる。こうしていずれHIVも克服するであろう人類が、次のウイルス・感染症に出会いまた新たな戦いが始まるのは容易に想像できる。未来永劫これの繰り返しが人類と地球の共存わ可能にしていくのではないだろうか。
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人間の営みと感染症との関係が丁寧に論じられていて、示唆に富む文章が散りばめられている。 この本の出版が2011年の震災後で、その10年後の今「コロナに打ち克つ」と言っている。それはもしかしたら近視眼的なものでしかなく、「共生」の道を早く歩き出さないと、大惨禍を保全していくことにな...
人間の営みと感染症との関係が丁寧に論じられていて、示唆に富む文章が散りばめられている。 この本の出版が2011年の震災後で、その10年後の今「コロナに打ち克つ」と言っている。それはもしかしたら近視眼的なものでしかなく、「共生」の道を早く歩き出さないと、大惨禍を保全していくことになりかねないのではないか。
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