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“不安な時代"の精神病理 講談社現代新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2011/04/16 |
JAN | 9784062881012 |
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“不安な時代"の精神病理
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商品レビュー
3.5
9件のお客様レビュー
勝間さんと香山さんの人間理解は違っているので対談をしても相互理解に至らない、という話が面白い。人間は効率だけで動けるわけではないことは明白だと思うのだが。3.11後、いままでの日本人の考えがこれからは変わってくるという。それの可能性もあるだろうけど、政治を見ると情けなくなるな。
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ハイペースで本を出している筆者らしく、粗製乱造の感は否めず、あまりまとまりが良い本とはいえない。若年層の賃金が低下して雇用が不安化しているなかで、「結婚したくてもできない」という声が聞かれたり、「家族」の絆を見直そうとする傾向が見られることに対する視点もなんだかヘンだ。驚いたこと...
ハイペースで本を出している筆者らしく、粗製乱造の感は否めず、あまりまとまりが良い本とはいえない。若年層の賃金が低下して雇用が不安化しているなかで、「結婚したくてもできない」という声が聞かれたり、「家族」の絆を見直そうとする傾向が見られることに対する視点もなんだかヘンだ。驚いたことに、保守系の政治家の発言やイギリスのサッチャリズムを例にあげ、こういった傾向は「家族の面倒は家族でみろ」といわんばかりの社会保障費削減につながるものとしているのだ。言いたいことは分からなくもないが主張があまりにも一面的なような気がする。ここに、筆者が結婚していないことの限界を見てしまうのはうがち過ぎだろうか? 私にはむしろ、最後の第6章が興味深く読むことができた。アメリカでは製薬会社と保険会社の巧妙な陰謀によって「病」が捏造され、極端な効率主義や二項対立などのシンプルで分かりやすい理屈が歓迎される社会性と相まって、さらにその病理を加速させているという。こういった陰謀論の妥当性は容易に判断しにくいとろこがあるが、ありそうな話ではあるので興味深く読むことができた。 このアメリカ社会が抱える病理を説明するうえで、筆者は「スプリッティング」という概念をあげ、「この病的なメカニズムを用いている人は、対象には『良い面』と『悪い面』の両方が混在、併存していることを認識できず、目の前にある対象や心の中にある対象を『良い対象』と『悪い対象』のどちらかに分割(スプリット)して『完全によい、大好き』『まったくダメ、大嫌い』といった極端な価値判断をしてしまう」と説明。「アメリカ社会あるいはアメリカ精神医学会は、ある種の複雑さや困難を回避するというメリットを、知らないうちに得ていたということだろう」と述べている。 この流れのなかで、手間のかかる精神分析は時代遅れのレッテルのもと排除され、DSMの操作性診断によるシステマティックな診断によって安易な薬物治療が横行。本書では、「しかし操作性診断では、多軸評定という手法を採用しているため、うつ病の根底にどんな性格が原因にあるのか、もちろんどのように関係しているのかは問われない。DSMでは、臨床疾患と人格の特徴は、別の次元(軸)ととらえられることになる」と説明している。そうなると、心の病の一部は自己責任で解決する必要があるのに、「私はうつ病だから直してちょうだい」というリクエストになってあらわれ、その原因にあるパーソナリティや性格などからは目をそらすことになり、患者の責任放棄を助長してしまうというのだ。 かくして、精神医療の現場から深い人間洞察が次第に姿を消していく。行きつくところは病が病を生み出す悪循環。これは、まさに新自由主義そのもので、アメリカ型の金融・経済のあり方が反映された結果とも言えそうだ。経済や精神医療ほど、そのときどきの社会の状況を如実に映し出すものはないと思う。
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最近香山さんの本を何冊か読んでいて、これもその一環で?手に取った本。 でもこれは、率直にあんまり面白くなかったです。何が言いたいのかあまり伝わって来なかったですし、一般論の寄せ集めって感じでした。 ただ、第二章の、「若者の心理の変化」は同意。ここに書かれている若者はまさに自分た...
最近香山さんの本を何冊か読んでいて、これもその一環で?手に取った本。 でもこれは、率直にあんまり面白くなかったです。何が言いたいのかあまり伝わって来なかったですし、一般論の寄せ集めって感じでした。 ただ、第二章の、「若者の心理の変化」は同意。ここに書かれている若者はまさに自分たちのことで、香山さんよく見てるじゃん!って感じでした。笑 私たちは"嫌消費世代"で、大学生で海外旅行をバンバンする人も少ないし、春休みとかもバイトしまくっている・・・ハイ。その通りでした。 ポストバブル世代から、嫌消費の傾向は続いていて、「自信のなさや劣等感」はむしろ強まっている。ハイ。 この章の話題は当事者として概ね同意です。 あとは日本の精神医学の話で、製薬会社の陰謀説は半信半疑ながらもわくわくしました。笑 あれ・・・そんなに面白くない本じゃなかったかも。
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