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昭和天皇 「理性の君主」の孤独 中公新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2011/04/23 |
JAN | 9784121021052 |
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昭和天皇
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商品レビュー
4.1
36件のお客様レビュー
昭和天皇の、主に戦前期の生涯と戦争責任にどう向き合って来たかを題材にした本。「昭和天皇拝謁記」出版前のものでは(もちろん一般に出回っている書籍レベルの話ではあるが)一番詳細な研究がされているものではないだろうか。個人的には升味準之輔「昭和天皇とその時代」がそれまでで最も詳細かつ中...
昭和天皇の、主に戦前期の生涯と戦争責任にどう向き合って来たかを題材にした本。「昭和天皇拝謁記」出版前のものでは(もちろん一般に出回っている書籍レベルの話ではあるが)一番詳細な研究がされているものではないだろうか。個人的には升味準之輔「昭和天皇とその時代」がそれまでで最も詳細かつ中立的に書かれたものと考えていたが、そこからさらに一歩踏み込んだものとなっている。 他の書籍や「拝謁記」なども読んでいるため、既知の知識も多かったが、この本で得た知見の中で大きなものが3つある。 1つは張作霖爆殺事件によって天皇の不興を買い退陣したとされる田中義一が、事件前からかなり問題のある行動を繰り返していたことである。選挙を有利に進めるためのかなり強引な人事や、政治経験がなくかつ思想的に偏りのある人物を閣内に引き入れたことについて昭和天皇はかなりの懸念を示していたし、その点について侍従や内大臣などに相談を投げかけていた。その背景を知ると単に「立憲君主として軽率な発言」とも言いづらくなってくる。個人的には満州事変以降の陸軍軍人よりこの田中義一の方が遥かに問題的な行動をしているように思う。 第二に、「拝謁記」の執筆者である田島道治が当初「天皇退位論者」として同じく天皇制継続に消極的であった芦田均によって送り込まれた人物であったことだ。「拝謁記」自体は就任約1年後の昭和24年からのものなので特に田島が退位論をぶち上げるようなことがなく、これは意外だった。本書には天皇と田島が面会し、引き続き在位することについての意見交換があった、とある。その理由については本書にも書かれているため省略するが、田島がどのような心境で意見を改めたかについては興味がある。 最後に、昭和天皇が最後まで戦争責任を重く受け止めていたことである。マスコミなどが責任転嫁の言質を度々取ろうとするも最後までその隙を見せず、自身の責任を負ってきた。簡単なようで中々できないものだ。また前述した「なぜ退位しなかったのか」についても昭和天皇が自己の責任の重大さ故に敢えてその選択肢を選ばなかったことがわかる。昭和天皇の人間性の本質がここに見えるような思いがした。 昭和天皇ほど時代にインパクトを与えた天皇は今後まず現れないだろう。立憲君主・象徴天皇としての思いや苦悩が垣間見える良書だと思う。
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古川隆久『昭和天皇』中公新書 読了。立憲主義と国際協調を政治信念に持ちながらも(それゆえに)、太平洋戦争に向かうに連れて思想的に孤立していく昭和天皇。本書では、思想形成の過程に着目し、その人物像を探る。戦争責任は免れないにしろ、優れたリーダーの資質を有していたことは想像に難くない...
古川隆久『昭和天皇』中公新書 読了。立憲主義と国際協調を政治信念に持ちながらも(それゆえに)、太平洋戦争に向かうに連れて思想的に孤立していく昭和天皇。本書では、思想形成の過程に着目し、その人物像を探る。戦争責任は免れないにしろ、優れたリーダーの資質を有していたことは想像に難くない。
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陸軍の暴走を苦々しく思いながらも、権限が曖昧のまま進む無理ゲー感をすごく感じました。 この時この決断をしていたらとか全くできないことが、物凄く切ない。
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