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事実は真実の敵なり 私の履歴書
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事実は真実の敵なり 私の履歴書

野依良治【著】

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事実は真実の敵なり 私の履歴書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日本経済新聞出版社
発売年月日 2011/04/18
JAN 9784532167721

事実は真実の敵なり

¥550

商品レビュー

4.6

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2023/12/30

私自身、科学者の端くれにもなれなかった立場ではあるが読んでいて非常に感銘を受けた。大学時代に有機金属化学分野の研究を行っており、お世話になった先生も列挙されており、親しみを持ちながら読んだ。科学を単なる知識だけでなく工業社会に生かす事を重視。後半の大学の学問のみならず芸術との結び...

私自身、科学者の端くれにもなれなかった立場ではあるが読んでいて非常に感銘を受けた。大学時代に有機金属化学分野の研究を行っており、お世話になった先生も列挙されており、親しみを持ちながら読んだ。科学を単なる知識だけでなく工業社会に生かす事を重視。後半の大学の学問のみならず芸術との結びつき、精神面での鍛錬についても学ぶ事が多かった。以下、文中にて印象に残った部分を記す。 秀才とは言いかねる私である。自己弁護のつもりはないがそれでも青春時代、勉学だけではまったく不十分、精一杯遊ぶがいいと言わせてほしい。人間生来の好奇心を持って五感を全開にしてそして出来る限り本物を探すべきではないだろうか。世界は多様である。何が本質か視野を広げなければならない。恩師や先輩、友人等との触れ合いは何物にも代え難い。その上で必要なのはやはり自学自習であると考えている。 「知るだけでは不十分、知の活用が必要である。意思だけでは不十分、実行が必要である」のゲーテの言葉は200年の歳月を経てなお至言といえる。社会全体を整合的に統括する体制と実効性のある運営体制の整備が必要である。 そのためには研究を理解しながら広く国内外の社会の動向を大局的に見渡せる行政専門家の養成が急務と考えている。現代の政治や行政は広範かつ高度の科学知を必要とする。欧米のみならずアジア諸国の政府首脳の多くが理系出身であり博士号を持つ専門職が政策策定にかかわるのはこの理由による。志さえあればやりがいのある仕事である。若い理系博士たちの積極的な参画を促したい。政治と科学の乖離を嘆くだけでは何も解決しないからである。 子どもは皆、生まれながらにして科学者である。花や動物、魚虫が大好きで、川の流れや海の波、雲や太陽、星を見て不思議に思う。そして生まれながらにして芸術家でもある。朗らかに歌い、自由な絵を、おとぎ話に耳を傾ける。表現力は多様で豊かである。教えなくても、自然に興味を持ちいろいろなことを学ぶ。こうした自らの体験を通して得る共通的な知識を「暗黙知」と呼ぶ。これに対して教科書などに整理された知識を「形式知」という。子どもたちが自ら基本的な「暗黙知」を得ないまま学校で試験のための断片的な「形式知」ばかりを詰め込まれれば理科離れや文化離れが起きて当然である。これでは未来を託す子供は育たない。 パスツールの名言に「化学には国境はない、しかし科学者には祖国がある。の今日的意味をかみしめながら(理研を)運営している。 人生80年を生きる糧を得るには学校の教科書習得だけでは明らかに不十分である。教科は生徒たちが習得するべき技能のごく一部でしかない。基本教科を勉強するとともに課外においてスポーツや武道で体を鍛え音楽、美術、文学、英会話等、さまざまな教養、技芸、情操を身に着けるて欲しい。子供たちの1週間の持ち時間は一定で限られている。だから課外塾は本来教科学習の重複ではなく学校では困難な活動のためにあるのではないか。社会は画一であってはならないこれらの活動を通じて我が国社会が必要とする多様な価値観を持つ子供たちが育つはずである。

Posted by ブクログ

2020/01/13

タイトルに惹かれ、読む。 ラ・マンチャの男、の一節らしい。 ノーベル賞を受賞した科学者が わが国の教育、科学政策を憂うが、出版から 10年を経て、あまり改善されていない、 というか悪化? 流行に踊らない、骨太の科学振興が 必要だと感じた。

Posted by ブクログ

2012/10/16

ノーベル化学賞受賞者の自叙伝。日経新聞の「私の履歴書」に掲載された記事をまとめたもの。 こういった第一線で活躍している人の自伝を読むとわくわくする。今回ぐっと来たのは大学院生は努力しなければならないというところ。私は来年度からは社会で働くが、残された時間は大学院生らしく過ごしたい...

ノーベル化学賞受賞者の自叙伝。日経新聞の「私の履歴書」に掲載された記事をまとめたもの。 こういった第一線で活躍している人の自伝を読むとわくわくする。今回ぐっと来たのは大学院生は努力しなければならないというところ。私は来年度からは社会で働くが、残された時間は大学院生らしく過ごしたい。そう思った。

Posted by ブクログ

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