継体天皇を疑う 東アジアから見た日本古代史の謎

壱岐一郎【著】

• 販売会社／発売会社: かもがわ出版
• 発売年月日: 2011/04/01
• JAN: 9784780304282

商品レビュー

2023/12/11

著者はジャーナリスト出身の歴史学者。そのためかアプローチの方法も、導き出す歴史的過程も、とてもユニークではある。ただし、正当なアカデミアンの歴史学者の著作を読んだ後だと「荒唐無稽」とまではいかなくとも「あまりにも突飛」に思える。
確かに記紀の描写はあまりにも自国中心ではあるけれど、イマドキそんなことはどんな歴史学者もごく当たり前の前提としているのではないかしらん。
またそこにおける朝鮮半島との関係において、倭国を常に優位に見せる描写も、たいていの国の歴史書に見い出すことができるし、それらのことを言うためにここまで「は⁈」な説を振り回す必要があるのかなぁ…と思った。
まっ、でも歴史エンタテインメントとしては面白い本かも、です。

2015/10/27

微妙。
日本の学会では明らかに異端な内容故、皇室の侮辱にも通じかねない内容故、論評は差し控えるが、問題提起としては面白い。
基本的スタンスは記紀の否定であり、著者の断定的な意見が根拠とともに書かれています。
但し、本書は何らかの日本自虐史観的な記述が散発的に出てきます。
とはいえ、天智天武の没年など面白い資料がたくさん載っています。それらを知る意味でも真っ向から否定せず手に取られても良いと思います。