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黄昏に眠る秋 ハヤカワ・ミステリ1846
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 早川書房 |
| 発売年月日 | 2011/04/09 |
| JAN | 9784150018467 |

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黄昏に眠る秋
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商品レビュー
4.1
30件のお客様レビュー
『たぶんユリアは正しいのだとイェルロフは考えた。自分を突き動かすものがなにか納得できたことはなかった。「わたしはうぬぼれてるんじゃない」彼は言った。「物語はそれぞれの歩調で話すのがいちばんよかろうと思ってるだけさね。むかしは、みんな、いつも時間をかけて物語を紡いだが、いまではなに...
『たぶんユリアは正しいのだとイェルロフは考えた。自分を突き動かすものがなにか納得できたことはなかった。「わたしはうぬぼれてるんじゃない」彼は言った。「物語はそれぞれの歩調で話すのがいちばんよかろうと思ってるだけさね。むかしは、みんな、いつも時間をかけて物語を紡いだが、いまではなにもかもが、さっさと済ませねばならなくなって」ユリアは返事をしなかった』 ヨハン・テリオンのエーランド島四部作の第一作。二作目の「冬の灯台が語るとき」から遡って読む。「冬の灯台が語るとき」ほどには北欧神話的な雰囲気は強調されてはいないが、一寸先も見えなくなる濃霧がかかる島の秋の雰囲気が、全編を通して全ての謎を包み込むように描写される。二作目と同じように、本書でも過去と現在の物語が並行して語られ、謎解きの最終盤に向かって収束していくように書かれているが、その筆運びは巧みだ。その構成がより本格的なミステリの雰囲気を本書にまとわせている。 探偵役である元船長の老人イェロフ・ダーヴィッドソンは老いと病気のため身体が不自由であり、さながらクリスティのミス・マープルのような役回りではあるけれど、鋭い洞察力で最初から事件の真相に向かって様々な人々に一見何気ないような質問を投げ掛ける。コロンボのような倒叙ミステリではないが、実はそれは隠されている事柄を一つひとつ明らかにする為の問いであったことが、読み進めると見えて来るという仕掛け。そして事件は常に身近なところにいる人々の過去と結びついているというヒントだけが読者に提示される。 当然のことながら過去に何らかの秘密を持たない人というのはいないので、イェロフが尋ね回る人々は各々問われたことに対して何かしら怪しげな雰囲気を漂わせつつ答える。そういう風に読者を誘導しておいて、主人公たるイェロフの娘ユリアとの関係性で怪しげな人々の人間性の回復を図って見せるのだが、それもまた別の誘導。そのような仕掛けが多数あり、過去と現在に登場する人々の関係の輻輳も相俟って、物語の重層感が巧みに醸し出されていく。 二作目の「冬の灯台が語るとき」と同じ舞台、同じような物語の構成、と言っても良いのだけれど、小説としての雰囲気はまるで違う。もしこれが同じような印象の本であったなら四部作の続きは読まないかも知れないと思っていたが、第三作で、この作家が見せているかも知れないまた異なる世界観を読んでみたいと素直に思わせるデビュー作。秋→冬の続きは、もちろん、春。邦題は「赤く微笑む春」。但しスウェーデン語の原題にはいずれも季節はあしらわれていない。
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「黄昏に眠る秋」(ヨハン・テオリン : 三角和代 訳)をよんだ。 北欧ミステリってやつはどうしてこんなにも凍えるような読み心地なんだよ。 忽然と姿を消した少年の母親と祖父の物語。 最後の最後に突きつけられる驚くべき真実に私は言葉を失ったけど。 これ著者のデビュー長編だそうだ...
「黄昏に眠る秋」(ヨハン・テオリン : 三角和代 訳)をよんだ。 北欧ミステリってやつはどうしてこんなにも凍えるような読み心地なんだよ。 忽然と姿を消した少年の母親と祖父の物語。 最後の最後に突きつけられる驚くべき真実に私は言葉を失ったけど。 これ著者のデビュー長編だそうだ。 完成度高すぎる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
スウェーデンの作家、ヨハン・テオリンのエーランド島四部作の第一作。秋からスタートして夏まで。10年以上ぶりに再読。 20年以上前にいなくなった息子のことを受け止めれず、父や姉との仲もギクシャクするユリア。何もかもがうまくいかなくなっていた頃、父イェロフから、息子のサンダルが郵送されてきたことを聞き… 息子がいなくなった事実を受け止めきれない母ユリア、孫の失踪の謎を探る祖父イェロフ、その二人の視点と、数十年前に死んだはずのある男の軌跡が描かれる。 どちらかというと文芸寄りのミステリか。舞台となるエーランド島の情景が良く、一方でそこまで起承転結がはっきりしているわけではないため、冗長に感じる人もいるかなぁと。再読だったので展開も覚えてはいたが、個人的にはこの丁寧な描写が好き。 次は冬。四部作最後の夏まで一気に駆け抜けたい。
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