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太陽系はここまでわかった 文春文庫
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太陽系はここまでわかった 文春文庫

リチャードコーフィールド【著】, 水谷淳【訳】

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太陽系はここまでわかった 文春文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2011/04/07
JAN 9784167651732

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太陽系はここまでわかった

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2018/11/05

2007年に書かれた本なのに何故はやぶさ帰還の話が書いてある?と思ったら、日本語版文庫化にあたって原著者にアップデイトをお願いしたもの(帯にも書いてあった)。知識の更新が多い分野なので非常にありがたい。深宇宙へ向かう探査機もソフトウェアの修正を受けながら航海するそうである。折角そ...

2007年に書かれた本なのに何故はやぶさ帰還の話が書いてある?と思ったら、日本語版文庫化にあたって原著者にアップデイトをお願いしたもの(帯にも書いてあった)。知識の更新が多い分野なので非常にありがたい。深宇宙へ向かう探査機もソフトウェアの修正を受けながら航海するそうである。折角そこまでやるならば、色んな人名、探査機名などが前後しながら登場するので、ぜひ索引が欲しかった。さらに欲を言えば年表とか。 概ね惑星ごとの章立てで、地上からの観測と探査機による観測との歴史を軸に、小話を交えつつ説明していく。 全体を通して痛感するのは、地上から見ていて不変のように思われる星空のダイナミックさ。太陽の活動は変動し、軌道上の惑星や衛星はそれぞれ干渉しあい、小惑星は地球をかすり、火山活動のある星も多く、土星の輪や一部の衛星は天文学的には短い時間で消え去る運命にある。人類の一員として、自分が今ここにいることが掛け値なしに奇跡と思える。 (しかし太陽系は何十億歳にもなるのに土星の輪がそんなに若いのか?どうも合点がいかない。由来は小惑星とかで、現れたり消えたりを繰り返しているのか?) 探査機については、冗長性の大事さが繰り返し言われる。孤立した探査機では、異常に対応するには冗長性を持つしかない。また、似たような性格を持つ複数の宇宙開発機関を競い合わせるのも一種の冗長性と言えるだろう。定式化しにくい、不確実性の高い状況下では、地球上でも役に立つ考え方かも(特に組織論とか)。 カール・セーガンの名前も覚えておく。 深宇宙に向かう探査機の孤独や、知られざる惑星・衛星のパノラマに思いを馳せる。

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2017/11/12

生命の不思議として、熱力学第二法則に相反していることを上げる。複雑な状態から単純な状態へと、時間の経過とともに移り変わる傾向をエントロピーと呼ぶ。 生命はエントロピーに逆行し、単純な状態から複雑な状態へと進化する。本書では、この生命が地球だけのものではなく、太陽系の他の惑星でも...

生命の不思議として、熱力学第二法則に相反していることを上げる。複雑な状態から単純な状態へと、時間の経過とともに移り変わる傾向をエントロピーと呼ぶ。 生命はエントロピーに逆行し、単純な状態から複雑な状態へと進化する。本書では、この生命が地球だけのものではなく、太陽系の他の惑星でも、十分に存在可能である証拠を提示する。

Posted by ブクログ

2015/01/02

何故人類は宇宙を目指すことが出来るのか。ミサイル技術への転用や、無重力下での科学実験のためなど実利を求めるならば衛星軌道上までの進出で十分だ。しかし、人類は自らの足で月に辿り着き、火星表面を動き回るロボットを作り、土星の輪の隙間をくぐり抜け、50億km遠くにある海王星を時速5万6...

何故人類は宇宙を目指すことが出来るのか。ミサイル技術への転用や、無重力下での科学実験のためなど実利を求めるならば衛星軌道上までの進出で十分だ。しかし、人類は自らの足で月に辿り着き、火星表面を動き回るロボットを作り、土星の輪の隙間をくぐり抜け、50億km遠くにある海王星を時速5万6千kmで近傍通過して外宇宙へ飛び出す。百年先でも役に立つかどうかわからない事のために、貴重な人命と数兆円の失敗を重ねて太陽系を分析してきた。 伝染病、貧困、環境汚染、戦争と、地球上には未解決の問題が山ほどある。宇宙開発に限らず、基礎研究は役に立たないからと時に中止され、時に予算を削られてきた。だがしかし、それでも今まで続けられてこれたのは、役に立たないことに人生をかけることが出来た変人達の尽力と、そこに価値を見出すことができた周囲の環境があったからではないだろうか。そしてそれこそが、人類の発展の理由ではなかったか。言語は、個体間でコミュニケーションをとるために生まれたのではなく、発声が可能な声帯を持っていた結果生じた。電気は、あまねく機構のエネルギー源になるためではなく、自然現象を理解するために研究された。飛行機は、その運行コストに見合うベネフィットが勘定される前に、空に飛び立った。そして今、はやぶさ2は新たな小惑星へ飛び立ち、ニューホライズンズは冥王星に辿り着こうとしている。 1969年、月との通信は秒間1バイトだったが、2015年、冥王星とは秒間100バイトで通信予定だ。2061年、まだ役に立たないことを続けていられる世の中でさえあれば、人類は僕には考えも及ばないような新たな成果を手にしていることだろう。

Posted by ブクログ

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