作りながら学ぶコンピュータアーキテクチャ

天野英晴, 西村克信【共著】

• 販売会社／発売会社: 培風館
• 発売年月日: 2011/03/01
• JAN: 9784563015848

商品レビュー

2011/10/13

本書は2001年に発行された「作りながら学ぶコンピュータアーキテクチャ」の改訂版です。

以前の本との大きな違いは、本書内で使用している設計環境がNTT謹製のPARTHENON/SFLからIcarusなどフリーのVerilog環境へと変わった事でしょうか。

他に教材として用いられているCPUをより簡単な物に変更したり、以前の版が発行された以降に世に出てきた技術について解説されています。

題名の通り作りながら学ぶ内容となっており、冒頭、コンピューターの歴史や2の補数などを解説した後、簡単なアキュムレーターマシンをVerilogで記述し、以降、それを段々とレベルアップしていき、最終的に簡単なCPUをVerilogで記述する本です。

読んだのは20011年3月発行版だったのですが、読んでいて、所々、誤植を発見しましたので、正直、コンピューターアーキテクチャについて何も知らない方がいきなり本書を読み始めると戸惑う事が多いのではないかと思います。

なので初心者の方は、他の本などであらかじめ予備知識を身につけてから本書を読むと理解しやすいのではないでしょうか。

CPUについて簡単な本をお探しの方は、マイコミの「CPUの創りかた」と言う本がおすすめかも知れません。

この「CPUの創りかた」。

表紙カバーや文体などで心理的抵抗を感じる方もおられるかと思いますが、内容としては、「作りながら学ぶ～」よりも遙かに取っつきやすい物となっています。

両者の違いは、「作りながら学ぶ～」の方が、分枝やキャッシュの解説などより実践的で高度な内容が書かれていると言う点ですね。

もちろん、文体の違いもありますが。

いずれにせよ、本書で紹介されているフリーのVerilog環境と最近お手頃価格になっているFPGAを用意し、本書を読みながら実際に手を動かすとコンピューターアーキテクチャに対する理解度はかなり上がるのではないでしょうか。