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知性誕生 石器から宇宙船までを生み出した驚異のシステムの起源
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2011/03/26 |
JAN | 9784152092021 |
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知性誕生
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いわゆる「知性」とは何を意味するのか、というお話。 心理的なメカニズムと、生物学的な機構の両方からアプローチしていく。 とりたててわかりやすいという印象はないが、ざっくりと理解することはできる。 「知性」の要点は、「統合」であろう。入力器官から入ってくる情報を、いかに統合し...
いわゆる「知性」とは何を意味するのか、というお話。 心理的なメカニズムと、生物学的な機構の両方からアプローチしていく。 とりたててわかりやすいという印象はないが、ざっくりと理解することはできる。 「知性」の要点は、「統合」であろう。入力器官から入ってくる情報を、いかに統合し、適切な行動へと結びつけているのか。じっくり考えてみると、人間というのはなかなかスゴイ生物である。 本書の最後では、真理というものにどこまで迫れるのかについて否定的な意見が述べられている。脳は自身の神経系を超えたものを理解することができない、と。 私自身は、もう一段階上までは上れると考えている。ただし、それはもう「人間」ではないかもしれないが。
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今から100年ほど前実験心理学者のチャールズ・スピアマンは複数の教科の成績が一般的な学力の高さを測る複数の結果と見なせるかも知れないと考えた。同様に、複数の種類の感覚の弁別の正確さ(例えば色の違いや音の違い、匂いなどの違いを正確に区別できるか)は、一般的な弁別能力を測る複数の結果...
今から100年ほど前実験心理学者のチャールズ・スピアマンは複数の教科の成績が一般的な学力の高さを測る複数の結果と見なせるかも知れないと考えた。同様に、複数の種類の感覚の弁別の正確さ(例えば色の違いや音の違い、匂いなどの違いを正確に区別できるか)は、一般的な弁別能力を測る複数の結果と見なせるかも知れない。彼の方法で測定すると(補正はしているが)学力と感覚能力は約1の相関を示した。つまり学校のテストと感覚実験の”一般的な”能力を比較すると二つの能力が同じもののように見えたのだ。簡単に言うとこうなる。感覚が優れている人は頭が良い。 スピアマンは更に飛躍し学力や感覚能力だけでなくいかなる心的能力あるいは心的成績(決定の早さや記憶力、技術的な解決能力、音楽的そして芸術的な能力など)も測定するとした場合一般因子gと特殊因子sからなると考えた。どんなことをやらしてもうまくやる能力をgが代表し、何か一つのことだけが得意なのをsが代表すると考えても良いだろう。感覚的にこの説明は受け入れやすい。スピアマンの研究では例えば外国語の習得などはgが主になり、音楽などはsが主になる。このgに対する測定の研究は発展し良く知られるIQテストが生まれた。 gの測定については「どういう質問が適当か」ということは実はあまり重要ではない。多様な質問が集まっていればどんなものでもgの測定に役立つ。そしてその質問の数が十分たくさんあれば平均値が一般的には一人一人のgを十分表すと言える。質問の種類を変えても量と多様性が一定であればgの値は強い相関性を示すことがわかっている。IQが高い=頭が良いというのが普通の使い方だろうが、Wikiをみる限り同年齢間で同じ試験を受けた場合に標準偏差のどの位置にいるかを示している指標であり、必ずしも一般的な頭の良さそのものではないようだ。「知能」の定義自体があやふやなのだがIQといろんなことをうまくできることの相関の高さが実験的にわかっているので実用上問題なく使われていると言うことだろう。 知能には「結晶性」のものと「流動性」のものがあると言う説もまた納得できる。流動性の知能と言うのは新しい問題を解く現在の能力で一般的には年齢とともに低下していく。囲碁や将棋あるいは外国語でも一般的に子供の方が上達が早い。「子供の方が頭が柔らかい」などと言ったりするが学習能力は子供の方が高いのだろう。賢人と言われる様な年寄りでも流動性の知能に関しては普通の子供にめったにかなわない。一方で結晶性の知能は学習によって高まる。流動性知能が高くても学習していないことについては結晶性知能は高まらない。当たり前ですが。おっさんは積み重ねでしか若者に対抗できないということだ。だから今頃の若いやつはと説教を始めることぐらいは許してもらおう。そう言っていられるうちはまだ幸せな様なのだから。 脳に障害を負った患者にIQテストをやらせてみると、テストの結果からおもしろいことがわかった。「結晶性」知能を多く含むIQテストでは変わらず高い値を示したのに、流動性知能だけが必要なテストでは明らかに大きく低下していた。障害の部位によっては例えば買い物をしようとしても注意力が続かず他のことをしてしまうなどの例や脳にパイプが刺さった患者は非常に怒りっぽく性格が変わってしまった。 結局この本を読んでも知能が何かと言うことはよく分からないままだった。別の本では脳を鍛えるのは運動しかないという脳科学者もいるし、楽器の演奏が良いという説もある。例えば釘を真直ぐに打つだけでもびっくりするほど複雑な計算を無意識にしているのだと思えば、両手をばらばらに統一させて動かすための脳の働きはどれだけすごいことをやってるかと言うことだ。著者も結論を出していないが流動性の知能が高い方が学習効果も高いとすれば子供に勉強させたがる親は常識的な判断をしていることにはなるのだろう。
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知性・脳のお話。 スピアマンの提唱したg。gはどんな作業をするときにも共通して働く知能で、gは前頭葉の働きと密接に関係しているという。 現在進行中で研究が進む脳科学の一端に触れられる一冊。
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