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火災の科学 火事のしくみと防ぎ方 中公新書ラクレ
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火災の科学 火事のしくみと防ぎ方 中公新書ラクレ

辻本誠(著者)

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火災の科学 火事のしくみと防ぎ方 中公新書ラクレ

定価 ¥924

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2011/03/10
JAN 9784121503831

火災の科学

¥550

商品レビュー

4

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2016/01/22

日本でどのぐらい火災が起こり、どのぐらいの人が亡くなっているか。 火災件数は5万件余り。少しずつ減少傾向にあるという。 火災の死者数は年間1400人ほど。住宅が木造から鉄筋コンクリート造に、暖房がストーブからエアコンに、調理法式がガスコンロから電気に、という変化も含めて考える...

日本でどのぐらい火災が起こり、どのぐらいの人が亡くなっているか。 火災件数は5万件余り。少しずつ減少傾向にあるという。 火災の死者数は年間1400人ほど。住宅が木造から鉄筋コンクリート造に、暖房がストーブからエアコンに、調理法式がガスコンロから電気に、という変化も含めて考えると、不思議である。 一方、年齢ごとの人口あたりの死亡率は、着実に減少している。 なのに、どうして死者数が変わらないのか。 死者の大半である高齢者のリスクは2/3に減ったが、その数が1.5倍になっているからだ。 それから男性の死亡率は女性の倍も高い。女は逃げ、男は消そうとする、という違いらしい。特に高齢男性は責任感と自身の体力の減退への無自覚から犠牲になりやすい。 いくら住構造を改善し、機器を普及させたところで、世代人口という分母の巨大さが飲み込んでしまうという。 今後の推計では、人口は減っていくのに火災による死者は増えると見込まれている。 こんな感じに、火災の統計的事実を説き、また江戸の大火の検証もし、最新の知見を用いた火災科学の研究を紹介する。 たとえば最近のスクーターなんかは、昔のスーパーカブ的なものに比べて、燃えると発熱量のピークが10倍ほどある。オフィスで座っている椅子も、いつのまにかスチールから樹脂製に変わっている。建物の断熱材も、ときに火災室内の温度を上げてしまうし、そうなると一酸化炭素も発生してしまう。身の回りの新素材は、古い「火災」の概念を超えている場合が多い。 先にも書いたように、いくら手段を講じても新しいタイプの火災も増えるし、人口ピラミッドの影響で独居老人の火災死は爆発的に増えるだろう、と。 それに対抗する方法は何か。著者は消防団だという。公費負担ではなく、経営的な独立性も含めた消防団。地域を守る、という気持ちの人は、結構いるはずだし、その萌芽も生まれているという。 敵を知り己を知れば百戦危うからず。火災もそうだなあ、と思う。敵がころころ変わるので大変だけど、己の側のことだってよく知らないもんね。

Posted by ブクログ

2011/11/22

 長年火災安全を研究してきた著者による火事についての啓蒙書。大変ためになった。  火事で亡くなるのは圧倒的に高齢者,それも男性が多い。日本の火災による死者は,年1400人ほどで安定。ただ,近年の住宅の難燃化,暖房器の安全化もあって,どの年齢層を見ても,火災による死亡率は年々減って...

 長年火災安全を研究してきた著者による火事についての啓蒙書。大変ためになった。  火事で亡くなるのは圧倒的に高齢者,それも男性が多い。日本の火災による死者は,年1400人ほどで安定。ただ,近年の住宅の難燃化,暖房器の安全化もあって,どの年齢層を見ても,火災による死亡率は年々減っている。それにもかかわらず死者数が減らないのは,高齢化しているせい。85歳以上だと50歳以下に比べて10倍以上も火災死亡率が高い。  高齢者と火災というと,よく報道されるグループホームなんかの火災で死者がでるが,実は死亡率としては,自宅の方がずっと高いそうだ。高齢になるほど,木造住宅で古い暖房器具を使い続けたりする場合が多いので,そうなるのだろうか。  あと男性で死者が多く出るのは,これは断然,消そうとするからだそうだ。特に高齢の男性は責任感が強く,体力の衰えを忘れて行動してしまうことが多い。炎が天井まで上がったらもう消火器で消すことは不可能なので,何としても逃げなくてはならない。  もし着衣に着火してしまった場合は,走り回ってはいけない。横になって転がるのが最善だそうだが,頭ではわかっていてもいざそういう目に遭ったときに実践できるかあんまり自信ないな…。子供たちと一緒に練習でもしておこうかな?  最近の住宅は,内装にも難燃材・不燃材がよく使われていて,燃えにくいとされているが油断は禁物。難燃材・不燃材は着火しにくい材料というだけで,長時間高温に晒されたらやっぱり燃える。あと高断熱というのも火災では危険な面がある。室内が燃えても熱が外部に逃げずにこもって焼損が激しくなることが多い。火が燃え移るのは,炎が接触するから(着火)だけではない。輻射熱によって発火点に達すれば,遠隔でも発火する。高断熱住宅の火災ではこれが迅速に進む。  火事は怖いなあ。火災って風洞実験みたいに小さい模型を燃やして研究することはできないらしい。燃焼が起こる場に生じる境界層の厚さが決まっているので(模型だと境界層の厚みが相対的に大),実物を縮小すると燃え方が変わってしまって役に立たないからだ。

Posted by ブクログ

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