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髪結い伊三次捕物余話 我、言挙げす 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2011/03/09 |
JAN | 9784167640149 |
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髪結い伊三次捕物余話 我、言挙げす
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商品レビュー
4.3
13件のお客様レビュー
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下戸の亭主伊三次とうわばみ女房お文のカップル、今夜もなかよし(^-^) 言挙げとは、自分の意志をはっきり口に出して言うことだそうです。不破龍之進、男らしく成長しました。宇江佐真理「我、言挙げず」、髪結い伊三次捕物余話№8、2011.3発行。粉雪、委細かまわず、明烏、黒い振袖、雨後の月、我言挙げず の連作6話。神田須田町、呉服屋「美濃屋」のおりうが病に。お文は母親おりうに会いに美濃屋に。大店の暮しを少しした後、稼ぎの少ない伊三次のもとに。
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目次 ・粉雪 ・委細かまわず ・明烏(あけがらす) ・黒い振袖 ・雨後の月 ・我、言挙(われ、ことあ)げす 以前、伊三次にガセを掴ませ、龍之進に大いに恥をかかせた船頭は、実は尾張屋押し込みの際に一味を手伝った者だった。 真犯人「薩摩へこ組」もまた、「本所無頼派」と同じ、武家の次男三男たちだった。 幕末というにはまだ間のある文化文政期、既に武家の鬱屈は積もり始めていたのかもしれない。(粉雪) そう言った意味ではお家騒動というのもまた、飼い殺されるかどうかの生存競争なのだろう。 自分の運命は自分だけのものではない。 大勢の人たちの生活が、命がかかっているのだ。 与えられた運命を自分の足で歩きだした姫の決意。 そばで支えることも許されない龍之進との身分の壁が切ない。(黒い振袖) 自分で選んだ人生だって、後悔する時はある。 大店のお内儀になっている生母の元へ帰ったら、今とは違う理想の暮らしができたのではないかと思うお文。 しかし、今のお文の幸せは、伊三次と伊与太の元にある。(明烏) お文が深川芸者だったころ、お文の女中をしていたおみつ。 当時はしっかり者で、よくお文を助けていたが、最初の子を流産した時まだ子どもの居なかったお文にひどいことを言ってから疎遠になっていた。 でも、いつの間にか付き合いが戻ったようで、安心した。 だけどおみつ、失ったもののことばかりを思いわずらっても幸せにはなれないんだよ。 幸せって、今、自分が持っているもののところにあるのだから。 徐々に事件は龍之進が扱うものが多くなってきているが、伊三次はあくまでも友之進の小者。 ただ、人の心の機微や、法や善意だけでは如何ともできない世の中のことなど、龍之進の経験だけでは測れない時に、セイフティーガードとして伊三次が付く。 まだよく口が回らなくて、伊三次のことを「たん」としか呼べなかった伊与太が、いつの間にか「ちゃん」と呼べるようになっていてほっこり。 お文のことは「おかしゃん」 いつかは「おっかさん」などと呼ぶようになるのだろうか。うう…。 不破家に行くと「おはよさんです」と頭を下げるところも可愛い。 言挙げの最古の出典は古事記のヤマトタケルの項。 神様に不遜なセリフを吐いたため、病気になって結局死んでしまう。 つまり、ヤマトタケルの頃から、日本人は目上の人に物を申してはいけない文化があったということ。 深いなあ。
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もし、あの時違う選択をしていたら別な人生があったのではないか…。誰もが一度は思ったことがあるのではないでしょうか。 お文も生活に追われる忙しない日々の中、辻占いの女に声をかけられ、もし大店の娘という選択をしていたらと思ってしまいます。そして頭を打った拍子にお文は大店の娘という生き方を選んでいたことになっていました。果たして幸せな人生が待っていたのでしょうか…。 そんな不思議な出来事の話『明烏』を始め、番方若同心となった不破龍之進の成長していく日々を描く『委細かまわず』『黒い振袖』等々、心に残る話が多かったです。 そして何より表題作『我、言挙げす』。 またまた火事に巻き込まれ、家を失った伊三次。気の毒すぎて声をかけられない父達を横目に、幼い時から自分を励ましてくれた伊三次にこれからも頑張って生きて欲しいと願い、声をかける龍之進。胸がつまります。表題作で終わったこの巻。次の巻ではどうなっているのか、すごく気になります。 作者のあとがきもとても共感できました。 宇江佐さんの作品、これからももっと読みたかったなぁ…。
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