日韓インテリジェンス戦争

町田貢【著】

• 販売会社／発売会社: 文藝春秋
• 発売年月日: 2011/02/25
• JAN: 9784163737003

商品レビュー

2016/09/10

真に迫った数々の事件の裏側が外交官としての視点で描かれていてとても興味深い。町田氏の公僕としての誇りと責任感が彼の外交活動から見てとれ、現代人が忘れがちな雑草根性を感じることができた。そして仕事に対する態度、誠を尽くすことの大事さを改めて思い知らされた。
金大中氏とのやりとり、ラングーン事件、青瓦台事件、光州事件、領事にまつわる話など一つとっても面白く、そして著者の誠真実に感銘を受けた。

2016/07/09

外交官として韓国と深くかかわってきた著者の回想録。金大中の拉致事件とか山あり谷ありの日韓関係の裏側をのぞかせてもらうような面白さ。これを読むと、いままでいい人イメージだった金大中に対して、したたかさとか腹黒さを感じるようになった。著者の私見に影響されているのかもしれないけど、彼ほどの政治家となるとそんなものかも。いい人って思っていたのも、あくまでも（日本における）イメージだしね。

2012/05/03

結果的に日本のインテリジェンスの理論（基礎知識）→伝説→現場と読む形になった。現在、韓国は身近で親しみやすい国というイメージだが、２０～３０年前までは北朝鮮とともに熱いインテリジェンス対象国だったとは驚き。
また、６０年代までは、韓国が北朝鮮よりも貧しい、アフリカの国家並みの経済水準であったことも同様に驚きであった。

以下、引用
●Ａ氏の連行もＫ氏への取り調べも、日本政府の情報管理の杜撰さから起きた。平和ボケしている日本人には秘密保持の自覚がまったくない。そのうえ、保安管理システムも出来ていない。最前線で駈けずり回っている者の背後から銃弾が飛んでくる国家だ。