ITパスポート(平成23年度) キタミ式イラストIT塾

きたみりゅうじ【著】

• 販売会社／発売会社: 技術評論社
• 発売年月日: 2011/02/21
• JAN: 9784774145624

商品レビュー

2011/08/11

ITパスポートという資格は名前だけは知っていたけれど、資格自体の興味はあまりありませんでした。

というのも、この内容はIT界の簿記3級のようなもので、基本的な知識の確認であること、つまり実務的には使えない資格であるからです。

しかし、この比喩は半分当たっていて半分外れていました。つまり、簿記3級のように実務的にはあまり参考にならないのだけれど、会計のように皆が知るべき知識であるということです。

近年、全ての業界におけるITの位置づけは非常に重要なものになっています。それに伴い、ITの知識も会計以上に必須の要件であると感じています。

特にメーカーはハードだけ売るのには限界が来ているので、如何にITやソフトウェアとの融合を進めるかが課題の一つであります。

パソコンやスマホが一人一台の時代、メモリーやハードディスク、CPU位の知識は知っている方も多いでしょう。デジタルデータが０と１で構成されていることもマトリックスなどで知っている方が殆どです。

ではCPUの重要な数値であるクロック周波数は理解していますか。メモリーとハードディスクの違いはなんでしょうか。

デジタルデータにおけるバイトという単位の意味はわかりますか。画像データとかはどのようにデータ管理しているのでしょう。

このような知識はあまりにもITの基礎すぎて実用的ではありませんが、知らなければITに関する技術的な議論に全く参加できなくなります。ようするにITのアルファベットのようなもので、理解していなければ会話もできない。

その意味で、ITパスポートで対象となる知識はビジネスマンに必須であると思うのです。

ビジネスマンの必須スキルとして語学が取り上げられがちな現在ですが、TOEICの点数以前に基礎となるビジネス知識、つまり会計・マーケティング・ITをおざなりにしていると感じます。特にITは軽視しすぎている。

「不足したビタミンを補う」というわけではないのですが、資格を受けなくてもITパスポートの本をさらっと読むことで、一般的なIT知識の補完は十分できるはずです。

ちなみにこの本はところどころ漫画で説明されていますので難解になりがちな説明もすっと入ります。読み物としても非常に面白い。

「ITを勉強する」という固い気持ちで取り組むのではなく、IT雑学を増やしてみる程度の軽い感じで読めますよ。