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彼女のためにぼくができること YA Step!
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彼女のためにぼくができること YA Step!

クリスクラッチャー【著】, 西田登【訳】

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彼女のためにぼくができること YA Step!

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 あかね書房
発売年月日 2011/02/25
JAN 9784251066749

彼女のためにぼくができること

¥770

商品レビュー

4.1

9件のお客様レビュー

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2024/11/04

ヤングアダルト向き。 親友である『彼女』のために太ったままでいようとする少年。 驚くほど残虐な大人がいる一方で、少年たちを救い導くカッコ良すぎる大人たち。 現実では彼らのような人は、まずいない。 でも、いいと思う。物語の中くらいはこんな人たちがいて欲しい。

Posted by ブクログ

2019/03/07

残酷な父親からの虐待で、顔に酷い火傷の跡を負ったまま生きることを強いられたサラと、「デブ」がゆえに嘲りの対象だったモービーとの、一筋縄でいかないけど固い友情の物語。それと併走するように、授業で扱う議論テーマとして、生命倫理や生死観や宗教観が織り込まれている。なかなか深く斬り込んだ...

残酷な父親からの虐待で、顔に酷い火傷の跡を負ったまま生きることを強いられたサラと、「デブ」がゆえに嘲りの対象だったモービーとの、一筋縄でいかないけど固い友情の物語。それと併走するように、授業で扱う議論テーマとして、生命倫理や生死観や宗教観が織り込まれている。なかなか深く斬り込んだ作品だった。 私は、妊娠中絶を議論しているときに、エラビーが語ったことーー人間の生命の始まりに必要なのは、単なる精子と卵子の出会いではなく、その生命が「望まれた」ものであるかということには説得力を感じた。 それと、胎内の命の尊さを説くのなら、生まれた後の生命だって尊重されるべきだ。(実際は差別や暴力に晒されるじゃないか)という言葉も心に響いた。 この物語では、宗教観を振りかざすマーク・ブリテンやモーツ副校長が卑劣なキャラ設定だったので、保守的な意見が悪のように描かれたのがフェアじゃないと感じた。 それにしても、アメリカの高校の授業って、ここで描かれていたような感じなのかな? 一つのテーマを巡って、生徒同士が議論を深めていくというもの。面白そうだし、自分や社会のこと、様々な意見の存在を意識するのは、いいな。

Posted by ブクログ

2014/08/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

どこかで書評を読んで、一度読んでみたいなぁと思っていた本。なかなか見つからず、地元の図書館を調べてみたら「児童書」のコーナーにありました。が、内容はとてもじゃないけど「児童」向けではないです。 邦訳タイトルを見ると純愛小説のような印象も受けますが、原題は『Staying Fat for Sarah Byrnes(サラ・バーンズのために僕はデブのままでいる)』。これを見るだけでも、純愛からは程遠いということが分かると思います。 太っている主人公エリックと、幼少の頃に顔と手に大火傷を負ったサラ・バーンズは、その外見上のコンプレックスとユーモア感覚が共通したことから友情を育み、中学時代は一緒に悪だくみをします。とは言ってもいわゆる反社会的なものではなく、あくまで自分たちを排除しようとする「強い者たち」への反発と反抗のため、というスタンスは崩していません。弱い者いじめならぬ、強い者いじめということです。 そんな二人の友情も、エリックが高校で水泳部に入ったことで少し変化が生じます。水泳をすることでサラ・バーンズとつるむ時間が減ったうえ、どんどん体重が落ちてしまうエリックは、サラ・バーンズとの友情が損なわれていないことを示すため、それまで以上に食べて食べて食べまくり、デブであり続けようとします。 とかく外見だけで判断しがち・されがちな思春期の男の子にとって、外見のコンプレックスをせっかく克服できそうなのに友達とのつながりのためにそれをあえて維持しようとするのは、物凄い決心が必要でしょう。この部分を読むだけでも、主人公エリックは素敵なヤツだなぁと思ってしまいます。 そのサラ・バーンズがある日突然、心を閉ざしてしまって誰の言葉にも反応しなくなってしまった…というところから、話は始まります。サラ・バーンズが心を閉ざした原因と、エリックの学校生活とをそのまま描いても一つの小説として成立しそうですが、エリックの友人で神父の父がいながらキリスト教を懐疑的に見ている水泳部員のスティーヴ・エラビーや、同じく水泳部員でエリックやスティーヴと反目している敬虔なクリスチャンのマーク・ブリテン、その彼女のジョディ・ミュラー、そしてサラ・バーンズの父親で冷酷なヴァージル・バーンズなどが絡んでいくことで、話はスピードを上げて突き進んでいきます。中盤以降の展開はまるで映画のよう。一気に引き込まれ、最後のページまで気が抜けません。 上に挙げた登場人物のほかに、凶暴で頭も悪いものの、純粋で決して嘘をつかないデイル・ソーントンというキャラクターも素敵なヤツです。彼も話の中で重要な役割を果たします。 後書きで触れられてますが、エリックの周りで彼とサラ・バーンズを支える「大人たち」があまりにカッコ良すぎではないか、逆にエリックとサラ・バーンズに敵対する「大人たち」があまりに典型的な悪者すぎないか、という感もありますが、娯楽小説として見るならばこれもアリでしょう。途中ではキリスト教の教義に対するかなりコアなやり取りもあったりして、あまり万人向けではないですしどうまかり間違っても児童向けではないですが、一読の価値はある佳作だと思います。

Posted by ブクログ

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