恐ろしい話 ちくま文学の森6

安野光雅, 森毅【編】

• 販売会社／発売会社: 筑摩書房
• 発売年月日: 2011/01/10
• JAN: 9784480427366

商品レビュー

2012/09/23

今で言う、“怖い話”“ホラー”など、基本的に苦手だ。特にその類の小説を、“文学”とも思わない。
この“恐ろしい話”は、正しい意味で、文学的な“怖い話”だった。
どの作品も大概面白かった。
最近の傾向だと、文学的ではないものが“恐ろしい話←怖い話”で、この本に載ってる作品は、おそらく“ミステリ”とされるはず。
（近頃、ミステリの定義の幅が広すぎる）

特に気に入った作品
（絞っても多数）

☆ディケンズ『信号手』
☆ポー『お前が犯人だ』
☆リラダン『断頭台の秘密』
☆志賀直哉『剃刀』
☆菊池寛『三浦右衛門の最後』
☆岡本綺堂『利根の渡』
☆夢野久作『死後の恋』
☆木々高太郎『網膜脈視症』
☆サキ『罪のあがない』
☆武田泰淳『ひかりごけ』

多いよ…

2011/06/26

☆４は生理的に不快になる詩人のナプキン、救いの無い残酷物語の三浦右衛門の最後、どう考えてもディストピアであるユートピアを提案するスウィフトの作品。既読では、死後の恋が好きだ。

「出エジプト記」より 「旧約聖書」より
詩人のナプキン ギョーム・アポリネール
バッソンピエール元帥の回想記から　フーゴー・フォン・ホフマンスタール
蠅 ルイージ・ピランデルロ
爪 ウィリアム・アイリッシュ
信号手 チャールズ・ディケンズ
「お前が犯人だ」 エドガー・アラン・ポー
盗賊の花むこ グリム　ヤーコプ
ロカルノの女乞食 ハインリヒ・フォン・クライスト
緑の物怪 ジェラール・ド・ネルヴァル
竈の中の顔 田中頁太郎
剣を鍛える話 魯迅
断頭台の秘密 ヴィリエ・ド・リラダン
剃刀 志賀直哉
三浦右衛門の最後 菊池寛
利根の渡 岡本綺堂
死後の恋 夢野久作
網膜脈視症 木々高太郎
罪のあがない サキ
ひも ギ・ド・モーパッサン
マウントドレイゴ卿の死 サマセット・モーム
ごくつぶし オクターヴ・ミルボー
貧家の子女がその両親並びに祖国にとっての重荷となることを防止し、かつ社会に対して有用ならしめんとする方法についての私案 ジョナサン・スウィフト
ひかりごけ 武田泰淳