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奇跡の日本史 「花づな列島」の恵みを言祝ぐ
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奇跡の日本史 「花づな列島」の恵みを言祝ぐ

増田悦佐【著】

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奇跡の日本史 「花づな列島」の恵みを言祝ぐ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 PHP研究所
発売年月日 2010/12/15
JAN 9784569794082

奇跡の日本史

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商品レビュー

4.3

3件のお客様レビュー

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2011/10/21

著者様の震災後の日本への経済評価を改めて見たくなりました。賛否はあるかもしれないけど、ばっさばっさ切り捨てていくような文章は、胸をすくようで面白かったです。日本に生まれて、日本人で本当に良かった。あと宗教対立のあまりの残酷さにびっくりです。

Posted by ブクログ

2011/07/25

新刊が出るたびに必ずと言って良いほど読む著者の一人になっている、増田悦佐氏によって書かれた昨年末に出た本です。ヨーロッパと日本の歴史を比較して、特に日本の庶民が如何に幸せであったか、また日本では衛生的な生活をしていたかを、多くの歴史書等の引用を踏まえて書かれています。 元寇が...

新刊が出るたびに必ずと言って良いほど読む著者の一人になっている、増田悦佐氏によって書かれた昨年末に出た本です。ヨーロッパと日本の歴史を比較して、特に日本の庶民が如何に幸せであったか、また日本では衛生的な生活をしていたかを、多くの歴史書等の引用を踏まえて書かれています。 元寇がもし上陸していたら逆に皆殺しにあっていた可能性もあり(p47)という考え方は面白かったです。城壁の要らない街づくりが日本でできたことは素晴らしいことなのですね。 特に、木が中心の日本文明と、レンガが中心の欧州文明では、消費するエネルギーが格段に異なる(レンガは森林を燃料にして作られる)ことを知ったことは衝撃的でした。 以下は気になったポイントです。 ・ギリシアで一番マトモなのは民間銀行で、アメリカのサブプライム証券には手を出さず、レバレッジもあげず、高給もとらなかったが、不幸なことに300億ユーロも国に貸してしまった(p31) ・イギリスは、ギリシアやポルトガル、スペインと異なって、GDPの240%が短期債務、102%が長期債務であり、短期で借りて長期で運用する債務構造となっているので、最も被害を被る(p35) ・元寇において日本遠征軍は、上陸していた場合、日本の武士達によって、泥田・沼田に誘われて馬が脱出できないほどの深みにはまって皆殺しになっていた可能性がある(p47) ・江戸時代の主要幹線は、東海道ではなく、甲州街道から中山道ルートであった、馬車が道を踏み外す場所がなかったので(p56) ・日本列島意外の世界中のほとんどの地域で、深刻な冷害等による凶作が起きた場合に、農耕だけや牧畜だけに依存した文明だと全部やられて、忽然と姿を消してしまう(p69) ・江戸時代の農民が五公五民に対して、欧州は3分の1程度であり租税負担が軽いと思いがちだが、収穫量が全然違うことを考慮すべき、小麦は1粒の種籾から3~10,日本のコメは、30~50粒は取れていた(p81) ・パリにおいて、都市壁が完全に取り壊されるまでの1600年あまりの歴史のうち、作り直しが行われたのは、わずか6回(p84) ・狭くて、不潔で、水も空気も新鮮なものに触れられない住居が密集している環境で、さらに多くの家畜を飼っていたので、西欧全体が疫病で全滅しなかったほうが不思議(p88) ・日本の都城は、高く厚い城壁に囲まれていない「仮住まい」なので、思い立ったらいつでも遷都のできる都であった(p102) ・大都市の真ん中やすぐそばの郊外で公園や森が維持されていたのは、領主がいつでも好きなときに狩り(徳川氏は鷹狩のみを許可)を楽しめるように庶民を締めだした空間を確保するため(p116、152) ・欧州の木材需要は、1)ワイン樽、2)帆船のマスト、3)高い教会の尖塔を飾ったステンドグラス製造(1平方のグラスのために50平方の森林必要)のための燃料であった(p125、132) ・灯台は40メートル以上に高く作る必要は必要はなかった、光力は湾曲した地表のために高くしても届く距離が少なくなる(p166) ・近代にいたるまで城壁を必要としなかった例外の地域は、クノッソス、スパルタ、ローマ帝国本国(パクス・ロマーナ時代)、及び日本である(p187) ・欧州のキリスト教組織が免罪符の大売出し程度しか商業活動をしていないのは、彼らが税金を取り立てていたから(p272) ・日本がジパング(黄金の島)と呼ばれたのは、欲しい物に対して喜んで金銀を放出する、無欲で危機感の乏しい国だから(p280) ・オランダ東インド会社の収益は、日本がダントツで、2位の台湾と3位のペルシアをあわせた額よりも大きかった(p283) ・徳川政府は、島原の乱において、唯一オランダが彼らを鎮圧する側に回ったので猷逸の貿易相手国に選んだ、オランダはポルトガルのカトリックに対しては共感も同情もなかった(p284) ・プラチナが銀とは異なると確認できたのが18世紀半ば、探鉱技術や精錬技術が確立したのがさらに後だったので、隠匿資産候補としてゴールドに勝てなかった(p292) ・明治維新のころ、欧州が日本より進んでいたのは、大量生産装置・大量輸送機関・大量殺戮兵器、一方、庶民における識字率、移動の自由、公衆衛生、森林保全等は日本のほうが進んでいた(p294) ・1858年に結ばれた日英通商条約では、直前に清国と結んだ天津条約に規定された植民地化条項はなかった、薩英戦争で薩摩が善戦(勝利)したから(p299) ・日本では知的エリートが愚鈍、無知無能、傲慢なので、それに頼れない大衆は懸命になる(p373) 2011/2/6作成

Posted by ブクログ

2010/12/29

日本史に何があったか?ではなく何がなかったか?という視点で語る比較文明論。 着眼点そのものが面白いのはもちろんですが、本書はそれに留まらず、ステレオタイプな日本史観の読み替えを行うことを目的とした非常に壮大な試みであると言えます。 多くの日本人は「日本は明治維新をきっかけに近代...

日本史に何があったか?ではなく何がなかったか?という視点で語る比較文明論。 着眼点そのものが面白いのはもちろんですが、本書はそれに留まらず、ステレオタイプな日本史観の読み替えを行うことを目的とした非常に壮大な試みであると言えます。 多くの日本人は「日本は明治維新をきっかけに近代的な国家になった」という史観、あるいは(日教組の大好きな)「戦後平和憲法を掲げたことで日本は平和に経済発展することができた」という史観を疑うことなく信じていると思います。ところが、本書で語られるのは江戸時代からすでに欧米以上に近代的な国家を築いていた日本であり、縄文時代からすでに争いとは無縁だった日本です。 欧米至上主義の歴史観を離れて眺めることで、日本の素晴らしい文明が見えてきます。 本書の核心となる着想は防壁に囲まれた城塞都市を築き争いの絶えなかったヨーロッパと壁のない街に暮らし紛争とは無縁だった日本の違いです。同じ着眼点の大石久和『国土学再考』を読んで感銘を受けた方なら共感できると思います。大石氏は悲観的でしたが、増田氏は超楽観的なのが両者の大きな差でしょうか。

Posted by ブクログ

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