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世界終末戦争
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世界終末戦争

マリオバルガス=リョサ【著】, 旦敬介【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2010/12/10
JAN 9784105145071

世界終末戦争

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商品レビュー

4.9

8件のお客様レビュー

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2019/01/03
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※このレビューにはネタバレを含みます

2012.10記。 バルガス・リョサ、完全にハマり三作目に突入。 本作はブラジルの辺境の地に「救世主」が現れ、政府に対して信徒たちが反乱を起こした、という19世紀末の実話に基づくストーリー(日本で言えば「島原の乱」みたいなものだろうか)。 救世主の下に集う貧しき人々の群れ。帝政時代を懐かしむ大地主たち。反乱軍鎮圧に向かう将校、戦場をさすらうサーカス団、そしてすべてを書きとめようとする従軍記者。 こうした登場人物が入れ代わり立ち代わり主人公となって登場し、読者は同じ場面、時間を異なる視点で追いかけることになる。 救世主コンセリェイロの説く「救済」にすがり、奇跡を見たと信じる人たち。彼らの作る楽園は、しかし地主たちから徴税権を取り戻し、近代国家形成を進める共和制政府とは相いれない。 「ここの畑と牧場が今のようになるまでには、すごく多くの人間が信仰だけを頼りに必死に働き、献身的な努力を傾けねばならなかったのだ。それなのに今、砲弾は畑も囲い場もめちゃくちゃにしており、しかもやがて兵隊が入ってきて、これまで誰も助けをさしのべてくれなかったからおたがいに助け合いながら神を愛して暮らそうとここに集まった人たちを皆殺しにしようとしているのだ。」 この思いは胸に突き刺さるが、想像を絶するゲリラ戦に苦しむ政府軍の立場からの描写を見れば、容易にどちらか一方に肩入れして読み進めることもできなくなる。 圧巻なのは、元盗賊として村々の襲撃など暴虐の限りを尽くし「サタン」と恐れられながら、コンセリェイロに帰依して反乱軍の統率者となるジョアン・アバージの活躍であろう。その類まれなリーダーシップ、戦闘能力、頭脳、そして残虐さ。その彼を巡るラスト一文、信徒の生き残りである老婆の一言が猛烈な感動を呼ぶ。  しかしこれほどまでに長大で重厚で重層的で、救いのない対立を描きながらそれでいてすべての登場人物への共感に満ち溢れ、しかもエンタテインメント性にも優れた作品を作り出す著者の想像力とはいったい如何なるものなのであろうか・・・ それに引き替え常に物事のごく一部しか見ずに白黒を断定してしまう我が想像力はなんと貧困なものなのであろうか。

Posted by ブクログ

2017/01/29

1人の聖人がブラジルを放浪する中で徐々に信者を獲得し、巡礼団は奥地に宗教的なコミューンを組成する。対して、近代的軍隊を備えたブラジル共和国政府は、軍隊を派遣し鎮圧に向かうが、何故か何度も打ち破れ、悲惨な戦いが両者の間で繰り広げられ最後にはー。 極めて奇想天外でドラマティックな物...

1人の聖人がブラジルを放浪する中で徐々に信者を獲得し、巡礼団は奥地に宗教的なコミューンを組成する。対して、近代的軍隊を備えたブラジル共和国政府は、軍隊を派遣し鎮圧に向かうが、何故か何度も打ち破れ、悲惨な戦いが両者の間で繰り広げられ最後にはー。 極めて奇想天外でドラマティックな物語であるが、これが歴史的史実ということに驚かされる。ノーベル文学賞作家、マリオ・バルガス=リョサの代表作であり、歴史的史実を題材として、ブラジルという国家が近代化する中で生じた宗教と国家の軋轢が豊穣な語り口で描かれる。 ハードカバー700ページ、さらに二段組みという大作であり、叙述は様々な登場人物の視点が複雑に入り混じり、時系列もバラバラであることから、最初は取っつきにくい印象を受ける。しかしながら、徐々に物語の骨子がつかめてくると、登場人物が語るそれぞれの物語が重層的に響き合い、極めて骨太な世界が立ち現れてきて、読み手を飽きさせないあたり、天才的な叙述の才能を感じる。

Posted by ブクログ

2016/07/02

読み終わるのに一ヶ月かかった。長いが「緑の家」に比べればかなり読みやすく、あまり苦労せずに集中することができた。

Posted by ブクログ

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