Re-born はじまりの一歩 実業之日本社文庫

伊坂幸太郎, 瀬尾まいこ, 豊島ミホ, 中島京子, 平山瑞穂, 福田栄一, 宮下奈都【著】

• 販売会社／発売会社: 実業之日本社
• 発売年月日: 2010/12/02
• JAN: 9784408550183

商品レビュー

2024/09/13

Re-born はじまりの一歩

年の初めにふさわしい？短編集です。rebornを辞書でひいたら”再生した、生き返った、よみがえった、生まれ変わった”とありました。この短編集では、生まれ変わったが適切でしょう。
でも、こういったお題に制約があるアンソロジーにありがちな、無理矢理ひねり出したと感じてしまう短編もいくつかあって、辛めの採点とあいなりました。お気に入りの短編が見つかるとよいですね。
行き詰まっている方、是非ご一読を。

◆宮下奈都「よろこびの歌」
音大附属高校の受験に失敗して、無気力に普通校に通ってなんとなく過ごしている主人公。合唱コンクールもあえなく失敗に終わり、いよいよと行き詰まった時に聞こえて来た歌は。音楽は芸術という側面だけでなく、演奏すること自体が楽しい！これは、合唱団で歌っている竹蔵の実感です。
◆福田栄一「あの日の二十メートル」
老人から水泳指導を請われて、無気力な日々を過ごしていた主人公はひとつのやりがいを感じ始めるが。。。福田氏が大学の後輩であることをはじめて知りました。
◆瀬尾まいこ「ゴーストライター」
何をやっても万能の兄貴へのラブレター代筆を好きな子から頼まれた俺。兄貴なりの苦悩と不在の寂しさ。
◆中島京子「コワリョーフの鼻」
数百年後、人類から鼻がとれる!?　奇書「鼻行類」などをからめてちょっとパンダントリスティックなところが中島氏の特徴なのか？ユーモアが感じられるオチも少し効いています。
◆平山瑞穂「会ったことがない女」
50年前の奇妙なできごとの始末をつけようと晩年の老人が動き出します。そしてたどり着いたのが芝居にも彼氏にも行き詰まった女優の卵。さて彼女の打った大芝居とは？
◆豊島ミホ「瞬間、金色」
親友の子どもがこの世界に生まれた日にはじめて思う”生まれて良かった”という感慨。閉塞感あふれる女子の世界からの別離。
◆伊坂幸太郎「残り全部バケーション」
家族解散の日、秘密の暴露を行なおうとしていた父・母・娘に妙なメールが。メールを出した方もちょっとヤクザなお仕事に行き詰まっていて。そして、不思議なドライブがはじまる。

去年は”CHANGE"の年だったようですが、今年はどのように変わることやら。
どうせ変わるのであれば変化を先取りして後悔しないようにしようという初心を表明をしておきます。
自分で決めたことはあきらめがつきますが、他の人が決めたことに従うと後悔という取り返しのつかない負債を背負うことになってしまいますから。。。

竹蔵

2023/06/11

十年以上前に本屋平積みにされているこの本を手に取った。シンプルな表紙デザインとタイトルに惹かれた。
今回、図書館でまたタイトルに惹かれて手に取った。内容はすっかり忘れていた。
十数年前も今回も私自身Rebornしたかったのだ。なんだか成長しておらず、変わっていない自分に苦笑してしまう。
今回の私は以下の2作がお気に入り。また数年後のRebornを、望む私はどんな感想を持つだろうか？
◆豊島ミホ「瞬間、金色」
◆伊坂幸太郎「残り全部バケーション」
20230611

2023/01/02

何かを始める主人公たちの短編集。
中でも宮下奈緒さんのよろこびの歌が好きでした。
有名な作家さんの書いた作品に沢山触れられる一冊です。