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兄弟(下) 開放経済篇 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2010/12/10 |
JAN | 9784167705916 |
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商品レビュー
3.6
5件のお客様レビュー
上下巻合わせて1000ページ超に、 汚さと下劣さ、猥雑さをばらまいた 文革から開放経済の中国40年は兄弟の物語。 なんかとり憑かれたように読ませる。 すげえな余華。 でもあんまり残らない。
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※このレビューにはネタバレを含みます
はっきり言って、当初期待していたような兄弟愛の物語を味わうことはできなかったが、そもそも私のこの期待の仕方が間違っていた。 宋鋼は優しいというよりも愚鈍にすら見え、李光頭はあまりに横暴で自分勝手、それでいてそれを補って余りあるようなカリスマ性もない。李光頭は後半、気持ちの良い男として描かれるが、都合の良い成金との印象の域を出ない。エピソードや表現も物語が進むにつれより低俗度を増す。 しかし一方で、上巻に続き下巻でも、中国の近現代史が背景として濃く描かれていた。人々が資本主義的な経済に取り込まれ、それぞれが豊かになることを追求し始めた改革開放。人々の変わりように時代の無常を感じるとともに、時に醜いほどにエネルギッシュな彼らの上昇志向は、資本主義の時代に生きる現在の私たちのあり方を再び見つめなおす契機ともなった。李光頭への投資の経過に一喜一憂する点心の店に集まった5人の様子や、経済力が日々の生活における地位や人生の幸福を全て規定するように描かれた劉鎮の姿は印象的であった。その中で、林紅と過ごしたつつましい20年間が最高の幸せであったと語る宋鋼の遺言は燦然とした輝きを放っている。 物語としての質という意味では個人的にはあまり評価できないが、背景として描かれる中国の近現代を通して、結果的に少なからず考えさせられるという点では、読む価値がある一冊ともいえる。
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※このレビューにはネタバレを含みます
小説としては本当に面白かった。ページを捲る手が止まらない。 他のレビューにもあるように、内容はとても下品である。 あの有名な余華の小説を初めて読んだのだが、こんなに下品な内容の本を書くのだろうかと驚いた。 上巻、下巻はずいぶんと話の内容が違う。 上巻は目も背けたくなるような文化大革命時のできごとが書かれている。 義父が本当にかっこいい。 拘束され批判対象になっていながらも、妻との約束を守るために上海に行こうとする。 兄弟二人でも生きていけるように、料理を教える。 こういう人間が多数殺されてしまった時代のことを小説や映画の題材にすることは多い。 人間とは、生きるとはどういうことか。人間が生きる上で必ず起きる疑問だからなのだろうか。 李光頭の義弟・宋剛のことが今でも気になっている。彼は幸せだったのだろうか。豊胸手術してまで仕事をするべきだったのだろうか。何も自殺しなくても良かったのではないだろうか。彼は結局、妻のことよりも自分の兄弟のほうが大事だったのだろう。幼少期の辛い時期を共にした兄弟のことがどうしても嫌いになれなかったのだろう。 読み物としては、本当に面白い。 ただ、作者はなにを伝えたかったのか。いろいろなことが本書に詰め込まれているため、私にはよく理解できなかった。他レビュアー様の意見をもっと拝見したい。
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