つるかめ助産院

小川糸【著】

• 販売会社／発売会社: 集英社
• 発売年月日: 2010/12/10
• JAN: 9784087713794

商品レビュー

2024/10/23

　ある日突然夫がいなくなった。
会社を辞め、携帯を持たず自発的に。
置き去りにされた妻の小野寺まりあは夫を探すため、２人で過去に訪れた地を訪ねる。以前婚前旅行に行ったとある島で、助産院の院長の鶴田亀子に出会い彼女に大きな変化が。

　まりあちゃん周りが見えてなかったんだなぁと思いつつも、20代ってこんなもんだったかぁと思ったり。自分のことで精一杯だと周りなんて見えないよね。

　まりあちゃんは乳児院で育って里親さんと暮らすようになったんだけど、里親さんとの壁を取り払えないまま大人になっちゃって、未だに甘え下手。それもあってか旦那さんには依存しちゃってた。

　お産のシーンはリアルだったし、南の島にも行きたくなった。

2024/10/03

南の島の自然溢れる助産院の話。
自然の大きさや素晴らしさ、
食べることの健やかさ、
人生の苦しさと美しさが詰まってる
おおらかで優しい物語。
生命って、力強い。

最初に出てきたパクチー嬢のベトナム料理が
食べたくて仕方なくなった。
あと、サミーの過去は未回収だったけど
知りたかったなぁ。

全体的に自然に癒される
素敵なお話だったんだけど、
最後、旦那が登場して丸く収まってる感じが
本当に受け入れれなかった。
待ち望んだせっかくの神聖なシーンだったのに…！
なんで歓迎されてるの？
こんなに大変だったのにおいしいとこだけ持ってくの？
安西夫妻が来た方がまだ受け入れられたわ。

あそこで生活してると、
お金も男もいらないって結論になりそう…

2024/07/11

妊娠中は過去・現在・未来全てに心が揺らぎ、誰もがあやうい道を歩んだ先に出産があるのだと思います。

フラフラしながらもがき続けるまりあちゃんを支えた先生やパクチー嬢は、出産の経験がないからこそ今ももがき続けているのかもしれません。

もがいている二人は誰よりも力強く、優しい存在であると思いました。

ドラマティックな心のやり取りを、島の生活や食事が暖かく包み込みます。