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暴力 6つの斜めからの省察
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 青土社 |
発売年月日 | 2010/10/24 |
JAN | 9784791765737 |
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暴力
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商品レビュー
4
3件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
哲学者や思想家って、ホント、言葉遊びの世界だよなーと思いながら拝読。 ジジェクの本作は、現代のポップカルチャー(映画や小説家のインタビュー等)を例に引き、ある程度の理解しやすさを持っている。 が、基本的には生活者の思惟から乖離した、観念世界のことばを用いての世界の分析。本書では『暴力』を『現実に現れた行為』よりも、『システム的暴力』という深層で分析し、新たな物の見方に光を当てている。 そう、新たな物の見方に光を当てています! でもこれって、世界の大半を動かす生活者、20年くらいで成人として世の中に放り出される人々の『物の見方』とは乖離してますし、当然そうした俗人の心に響くもの言いでもない。 頼むから二重否定以外の書き方をしてくれ。 最終章で例に引かれる小説、ジョゼ・サラマーゴの小説『見ること』の例は酷かった。 「なにもしないこと」がシステム的暴力(国家システム、資本主義システムetc.)に対抗する「もっとも暴力的な行為」になると言及しているが……。 そういう絵空事はいいから。 本当に思考実験でしかないから。 これまでの章では、暴動や歴史的出来事等、現実に起きた事例を引いてきていたのに、最終章でよりによって小説かよ、である。 もっとも他の章でも、創作を引用した例はあるから、小説を題材にしたこと自体は、特に批判すべきもなかろう。 ただただ、現実の国で起きている票の買収や利益誘導、恫喝行為に対し、何の役にも立たないことを書いてあるだけだ。 村人全員バスにのせられて、行った先でポスターを前に、 「この候補に投票するんだぞ。票の数がお前たちの人数より少なかったら、一票少ない分、お前らを一人ずつ無作為に殺す」 と脅される社会に生きている人々に、本書で提示されたジジェクの論考は有効な『暴力』にはなり得ない。示し合わせて白紙投票しても、全員殺されるのがオチである(しかもそのことはほとんど話題にならないだろう。アフリカの国で起きた選挙不正の細かい内容が、日本のニュースにならない様に)。 肩透かしを食らった気分で読了した。 哲学を新たな象牙塔のゲームとして遊ぶには面白い内容だ。 現実の生活者に実効性ある思想、理解可能な語りではないという評価であり、平凡な星3つとしたい。
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【メモ】「残虐性なき愛は無力であり、愛なき残虐性は盲目である、それは持続力を失い短命の情熱で終わる」(248)。リベラル的慈善行為という欺瞞的暴力、原理主義という似非宗教的暴力を越えた先にジジェクが見ているのは、「純粋な暴力の領域、法(法的権力)の外部の領域、法措定的でも法維持的...
【メモ】「残虐性なき愛は無力であり、愛なき残虐性は盲目である、それは持続力を失い短命の情熱で終わる」(248)。リベラル的慈善行為という欺瞞的暴力、原理主義という似非宗教的暴力を越えた先にジジェクが見ているのは、「純粋な暴力の領域、法(法的権力)の外部の領域、法措定的でも法維持的でもない暴力の領域」、憎しみをもって愛するという「愛の領域」(249)である。
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正月早々にジジェクを読むという…。 ジジェクの「暴力」観はどことなくハイエクの「自由」観(特に消極的自由)に通じるところがある。フーコーの権力装置とかもそんな話だったろうか。
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