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ことばの哲学 関口存男のこと
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ことばの哲学 関口存男のこと

池内紀【著】

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ことばの哲学 関口存男のこと

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 青土社
発売年月日 2010/10/25
JAN 9784791765744

ことばの哲学

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商品レビュー

3.7

6件のお客様レビュー

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2022/08/31
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※このレビューにはネタバレを含みます

p.83 (関口の文例の分類方法について)こういった分類の成立経過を数字であらわすと、ウィトゲンシュタインが『論理哲学論考』にほどこした整理法と、奇妙なほど一致する。1,2,3と分けていって、1から派生したものは1・1とする。そこから思考がすすんだものは1・11、枝分かれした場合は1・12,枝分かれを発展させれば1・121といったぐあいだ。とすると、ほぼ同じころに地球の両側で、日夜、奇妙なファイルの出し入れがつづけられたことになる。☆ルーマンのメモシステムに同じ p.90 関口在男 独逸語文法

Posted by ブクログ

2016/10/19

ドイツ語学者,関口存男(つぎお,1894-1958)の評伝.この夏休みに目を通した「関口・新ドイツ語の基礎 CD付 復刻版」は熱い語り口と,文理をまたがる幅広い分野からの格調高い例文たちで,私に強い印象を残した.私は学生時代,孫の関口一郎のドイツ語講座をテレビでみていたことがある...

ドイツ語学者,関口存男(つぎお,1894-1958)の評伝.この夏休みに目を通した「関口・新ドイツ語の基礎 CD付 復刻版」は熱い語り口と,文理をまたがる幅広い分野からの格調高い例文たちで,私に強い印象を残した.私は学生時代,孫の関口一郎のドイツ語講座をテレビでみていたことがあるので(あれはあまり役に立たなかった(失礼!))関口存男の名前は以前から知っていたが,教科書を読んでどんな人か知りたくなり,この本に行き着いた. さて,関口存男は明治27年姫路の職業軍人の息子として生まれる.旧制姫路中学を中退し陸軍大阪地方幼年学校に入学.そこでドイツ語と出会う.辞書がひけるようになったころ「とにかく本を買おう」と心斎橋の丸善にいきドイツ語役の罪と罰を購入.さっぱりわからないままに,片っ端から辞書を引き,一行や二行を20回も30回も繰り返す.二年かかって数百ページを読んだころ少しわかりだした.そして2/3くらい読んだところで突然スラスラわかるようになったという.効率よくわかろうなどと思わず,ただひたすら読む.長い文章をそのまま暗記する.語学の天才だからできた勉強法でもあっただろう.陸軍士官学校を出た後,形式的に任官しただけで軍人の道をああゆまず,戦前は法政大学教授として,戦後は軍人上がりという過去が嫌われたせいか,大学に職を得ることができず,語学学校で教える傍ら,文例収集から発展した著作に没頭.未完の主著「冠詞」は3分冊で計2200ページの大著.なかなかすさまじい. 私はこの本の著者の池内紀氏の軽妙な(?)エッセイに感心したことはないが,この本の関口存男の生涯を扱った部分はとても良いと思う.ただ関口を同世代のヴィトゲンシュタインとともに言語哲学の創始者として論ずるところはあまり興味がもてなかった.その代わり,もう少し生涯のエピソードがあればもっと充実した評伝になっただろう.

Posted by ブクログ

2015/10/31

 あのドイツ語の世界で有名な人物として関口存男(つぎお)がいる。その語学の天才をドイツ文学者の著者が雑誌に連載したものがもとになっている。  名前は聞いたことはあったが、どんな人なのかは知らなかった。もともとドイツ語が専門ではなく、陸軍士官学校出身で、後に上智大学哲学科に入学、...

 あのドイツ語の世界で有名な人物として関口存男(つぎお)がいる。その語学の天才をドイツ文学者の著者が雑誌に連載したものがもとになっている。  名前は聞いたことはあったが、どんな人なのかは知らなかった。もともとドイツ語が専門ではなく、陸軍士官学校出身で、後に上智大学哲学科に入学、さらにアテネ・フランセに入学してフランス語とラテン語を勉強した。その間に、フランス語でラテン語の初等科の教授に任じられたと言うからただ者ではないことがわかる。  純粋なドイツ語畑を歩んできたドイツ語学会の方からすると異色の人なのでどこか歓迎されていない所があったようだ。「三上文法」という一風変わった日本語文法で有名な三上章も日本語の世界とは無縁の人(建築学科出身で数学の教師)だったので良く思われていなかったそうだ。  ドイツ語を学んだきっかけは明治41年(1908)年に大阪地方幼年学校(士官学校の予備教育を施す施設)に入学した際、ドイツ語とフランス語の振り分けがあり、関口はドイツ語組に入れられた。  そこで発音を教わり、辞書が何とか引けるレベルである決心をした。それは何として新しい語学を習得することだった。心斎橋通りにある丸善に行きとにかく何か本を買おうと思ったそうだ。選んだのはなんとドストエフスキーの長編小説「罪と罰」のドイツ訳だった。分厚い本を買って読めばドイツ語が出来るようになるだろうと思ったようだ。無鉄砲なことが出来るのは若者の特権だな。  この人の場合、辞書を引き引きしながら丹念に読んでいった。2年たって数百ページ読んだ頃になると「何だか分かり出したような気がしだした」とあるように話の筋が見えてきた。普通の人なら2週間、あるいは2日で放り投げるようなことを執念深くやっているところからして凡人のレベルを超えている。  その後、ドイツ語に関する本を出したりNHKのラジオ講座に出演したり、大学教員になったりして活躍した。  もうこういう異才はなかなか出てこないだろうなあ。

Posted by ブクログ

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