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季 百年文庫10
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ポプラ社 |
発売年月日 | 2010/10/01 |
JAN | 9784591118924 |
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商品レビュー
2.8
6件のお客様レビュー
3つの作品のうち、『仙酔島』が良かった。文章もきれいだし日本の風光明媚な景色が浮かび上がってくるようだ。島村利正という作家は、この本で初めて知りました。おそらく一時期は注目されていたのでしょうが、今は忘れられた存在に近いのでしょう。そういう作家、作品に出会えるのもアンソロジーの良...
3つの作品のうち、『仙酔島』が良かった。文章もきれいだし日本の風光明媚な景色が浮かび上がってくるようだ。島村利正という作家は、この本で初めて知りました。おそらく一時期は注目されていたのでしょうが、今は忘れられた存在に近いのでしょう。そういう作家、作品に出会えるのもアンソロジーの良さですね。
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なんだか読みにくい印象の作品が多かった。 「白梅の女」 一番読みやすかったかな。 桂井に対するたか子の気持ちと姿勢は、非常に理解できた。 パーフェクトな女として昔の男と再会する。 そののびた背筋、しなやかな身のこなしがどのようなものであったのかは、描かれていないところまで目の前...
なんだか読みにくい印象の作品が多かった。 「白梅の女」 一番読みやすかったかな。 桂井に対するたか子の気持ちと姿勢は、非常に理解できた。 パーフェクトな女として昔の男と再会する。 そののびた背筋、しなやかな身のこなしがどのようなものであったのかは、描かれていないところまで目の前に見えるかのようだ。 その反面、産み落としたきりの息子との再会は、たか子の想像を超えたものだったのだろう。 制御できず予測できず、あらゆる可能性とあらゆる不可能性を秘めた、パンドラの箱なのだ。 その対比が実に鮮やかで、見事だと思った。 「仙酔島」 多少、読みにくかった。 ウメと信吉。 手紙を束ね、墓を訪れるウメの姿。 大奥の女中であった江島と重ねるように描かれた信吉の墓の描写。 ウメの夫であった亀太郎と信吉との対照的な様子。 痴情の人ではなくとも、ウメにとって信吉がどこか特別であることは間違いがない。 この作品を読むと、人が人に対して残すもの、つなぐものは、季節を超えて心から心へと移っていくのかもしれない、と思える。 人なんて、産まれて死んでゆくだけなのだけれども、その間に、心を通していろんなものを受け取り、渡していくのだな、と思った。 それが存在意義なのかな。 「玉碗記」 これは、ちょっと苦手だった。 歴史のダイナミズムのようなものは感じた。 空間的にも時間的にも、非常に雄大で、その中に秘められた人の心の光を感じさせる、そんな作品なのだと思う。 でも、ちょっと私には響きにくかった。 なんか、ちょっと、妄想?とか思ってしまう。 春日皇女の歌と安閑天皇の歌には温度差があるって言ってたじゃないの。 碗にかこつけて、ちょっと綺麗に書き過ぎてはないか? ロマンチックにしすぎたのではないか? とか、思ってしまった。 たぶん、単純に興味がないのだ。私には。
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円地文子『白梅の女』 まったくもって趣味でない。 島村利正『仙酔島』 独特の文章。日本の中の旅すらオオゴトだった時代。 井上靖『玉椀記』 古代の天皇に関する伝説と妹夫婦を重ね合わせる。さすがにうまいが印象は薄いかな。
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