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「人生という物語」の呪縛から逃れて(2010 10) 大澤真幸THINKING O7号
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 左右社 |
発売年月日 | 2010/10/15 |
JAN | 9784903500393 |
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「人生という物語」の呪縛から逃れて(2010 10)
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1件のお客様レビュー
相変わらず大変読ませる対談、文章。 ただ、1つ疑問は8日目の蝉として、人生という物語の呪縛から逃れて手に入れたのが本当の自由だとして、果たしてそれで人は幸せを感じられるのだろうかという点だ。自由からの逃走という言葉が示すように、人はただ単に自由であることでは満たされないのではな...
相変わらず大変読ませる対談、文章。 ただ、1つ疑問は8日目の蝉として、人生という物語の呪縛から逃れて手に入れたのが本当の自由だとして、果たしてそれで人は幸せを感じられるのだろうかという点だ。自由からの逃走という言葉が示すように、人はただ単に自由であることでは満たされないのではないか。小説の中で8日目の蝉としての生を受け入れた主人公は、結局物語から自由になったのではなく、自分の中で新たな物語を構築したのではないか。 個人的にはそう思うし、それで全然良いと思う。 死刑論に関していえば、世界でも例外的に死刑制度への賛成意見が多い日本という国の異常性を改めて感じさせられる。 現実世界でもディベートの試合でも死刑が殺人の抑止力にならないことは多く納得されるようになってきていると思うが、それでも賛成論者が依拠する「被害者のため」というキレイゴト、が大手を振ってまかり通る国が日本なのだと思う。 要は個人というものがない。本当のことなどわからない被害者の声を代弁して、悪人に死刑を、という安易な結論を全力で支持するこの国の国民は大変怖いが、日常生活で実感する空気の力というものもこれと大して違いはない。 その点アメリカのコロンバインで起きた銃乱射事件の被害者の両親の話は大変深く考えさせられる。犯人を憎まないし、被害者である娘も憎みはしないだろう、ということを堂々と言える国は良い国だと思う。そして犯人の両親に来た手紙の大半が励ましの手紙だったという事実は、殺人犯の親を自殺に追い込む国に住む住人として大変うらやましく思う。そしてこういうとき、日本には正義がないということを強く感じ、憤りを覚える。 このことは決して特殊な一部のきちがいが巻き起こしている事態ではない。現実の会社の中でも十分に起こっている集団迎合である。
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