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恐竜はなぜ鳥に進化したのか 絶滅も進化も酸素濃度が決めた 文春文庫
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恐竜はなぜ鳥に進化したのか 絶滅も進化も酸素濃度が決めた 文春文庫

ピーター・D.ウォード【著】, 垂水雄二【訳】

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恐竜はなぜ鳥に進化したのか 絶滅も進化も酸素濃度が決めた 文春文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2010/10/07
JAN 9784167651725

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商品レビュー

4

20件のお客様レビュー

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2025/02/28

読書録「恐竜はなぜ鳥に進化したのか」4 著者 ピーター・D・ウォード 訳 垂水雄二 出版 文藝春秋 p158より引用 “ ある動物が利用できる酸素の量が、その 体の最終的な大きさを決定する要因であるこ とがわかっている。” 目次より抜粋引用 “哺乳類の呼吸とボディ・プラン ...

読書録「恐竜はなぜ鳥に進化したのか」4 著者 ピーター・D・ウォード 訳 垂水雄二 出版 文藝春秋 p158より引用 “ ある動物が利用できる酸素の量が、その 体の最終的な大きさを決定する要因であるこ とがわかっている。” 目次より抜粋引用 “哺乳類の呼吸とボディ・プラン  地質年代における酸素濃度の変化  カンブリア紀大爆発はなぜ起こったのか  ペルム紀絶滅と内温性の進化  酸素の未来を危ぶむべきか?”  古生物学者である著者による、地球上の動 物に関する、進化と酸素濃度の関係について の仮説を記した一冊。  生物の呼吸器官と体の形成についてから地 質学的研究から見る各古生物の時代ごとの姿 と生態まで、学校での授業のような文章で書 かれています。  上記の引用は、シルル紀における最大の捕 食生物であるウミサソリ目について書かれた 項での一文。 これが人にも当てはまるなら、傷の治りを良 くしたり疲労を回復すると聞いたことのある 酸素カプセルを、子ども頃から常に使ってい たら、巨人化したりするのでしょうか? 酸素カプセルを使い続けられるかどうかの貧 富の差が、目に見えて体格に表れる世の中に なるのは、正直嫌だなと思います。  p48の、“水中と空中で同じように上手く働 く呼吸器官を進化させた動物がいないという 事実は、生物学的な材料を用いてそれをなし とげるのが不可能なことをうかがわせる。” の部分を読んでいると、何もかも出来るもの を手に入れるのは、自然においても難しいこ とであると、改めて思い出させられます。  歴史的に繰り返されている大絶滅を、せめ て人間の行いが原因となって起こしてしまわ ないように、毎日を丁寧に過ごしたいもので す。  生物に興味のある方であれば、ワクワクせ ずにはいられないような、進化に関するエキ サイティングな仮説が記されてますので、一 度読んでも損のない一冊ではないでしょうか。 ーーーーー

Posted by ブクログ

2024/08/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

恐竜はなぜ鳥に進化したのか ―絶滅も進化も酸素濃度が決めた この本の主題は、”酸素濃度の変化が進化の重要な引き金になった”ということです。 酸素濃度はカンブリア紀からオルドビス紀にかけての低酸素状態からシルル紀の高酸素状態へ、デボン紀の低酸素状態から石炭紀・ペルム紀の高酸素状態へ、そして、三畳紀・ジュラ紀・白亜紀に再び低酸素状態となり、現在に至る第三紀の酸素濃度21%になったという研究結果から、カンブリア紀の大量絶滅を経ての進化の大爆発やシルル紀・デボン紀の高酸素濃度の助けを借りた陸上へ上陸、ペルム紀の大量絶滅と、ジュラ紀の低酸素濃度による恐竜の繁栄などに関して多くの仮説を立てながら、進化の流れをなぞっています。 それは、鰓による酸素呼吸の誕生にはじまり、より呼吸効率の良い三室心臓(爬虫類・両生類)から四室心臓(哺乳類・鳥類)へ、肺胞式(哺乳類)から隔壁式(鳥類)へと進化して来た酸素濃度の変化に適用するための進化と密接に関係した流れとなっているという仮説から成り立っているものです。 大いに勉強にはなりましたが、苦言としては教科書みたいでとても退屈でした。各章にその時代の海中や陸上の動植物の様子を描写していますが、それだったら一枚の想像図の方が説得力もあって良いような。。。 あと、仮説が山のように出てきますが、その仮説の証明が中途半端で、何が証明済みで何が未証明なのかが判らない点もX。特に恐竜が温血なのか?や鳥と同じ隔壁式の肺を持っていたのか?などは結局どちらが結論かよくわかりませんでした。 なるほどと思った内容は、”爬虫類は走りながら呼吸をすることができないので、獲物を追跡することができないため、待ち伏せして捕食するしかない?”という点です。これで、どこまでも蛇やオオトカゲに追っかけられる夢を見ずにすみます。でも、恐竜が温血動物だったら、蛇やオオトカゲの代わりに恐竜がどこまでも追いかけてくる夢に変わるだけかもしれませんが。。。 いろいろと難はありますが、酸素濃度に着目した壮大な進化のゲームの戦略に関してまとまっているためになる本ではあります。 竹蔵

Posted by ブクログ

2020/01/17

酸素濃度の高低が生物相に様々な影響を与えたとする仮説。 高酸素では多様性が、低酸素では異質性が増大されるという仮説だが、幅広い現象に対して辻褄が合っていて面白い。 外的要因が多すぎて酸素濃度の一択で論じるのは簡素化しすぎた感もあるが、タイムスリップして現在とは違う地球を想像させた...

酸素濃度の高低が生物相に様々な影響を与えたとする仮説。 高酸素では多様性が、低酸素では異質性が増大されるという仮説だが、幅広い現象に対して辻褄が合っていて面白い。 外的要因が多すぎて酸素濃度の一択で論じるのは簡素化しすぎた感もあるが、タイムスリップして現在とは違う地球を想像させたり、時代を追ってまとめて説明されているので読み物としても面白い。 今では使われない哺乳類型爬虫類との表記が説明に使われていてややこしかったり、初期の恐竜がすでに気囊を持っていたかについて章によって違った立場をとっていたりする難点はあり。 鳥盤類は骨の構造から気囊では無かったということは、もともと持っていた最強の呼吸方法を退化させたということなのだろうか。 魚竜と首長竜、モササウルスはそれぞれ違う時代に別の爬虫類が海棲に回帰した?ため肺呼吸なのか、その違いが絶滅を乗り越えられなかったのだろうか・・どのタイミングから内温性が出現したのかも非常に証明が難しいところ。低酸素の時代がそんなに長期間に渡ったのであれば、気囊以外にも様々な呼吸法が進化してきていても良かったような気もする。 捕食圧や温度など自然淘汰で注目される環境に、今後は酸素濃度にもっと焦点を当てても良いと納得させられた。実際にカンブリア爆発も呼吸への対応がメインだったのかもしれない。

Posted by ブクログ