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恐竜はなぜ鳥に進化したのか 絶滅も進化も酸素濃度が決めた 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2010/10/07 |
JAN | 9784167651725 |
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恐竜はなぜ鳥に進化したのか
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商品レビュー
3.9
19件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
恐竜はなぜ鳥に進化したのか ―絶滅も進化も酸素濃度が決めた この本の主題は、”酸素濃度の変化が進化の重要な引き金になった”ということです。 酸素濃度はカンブリア紀からオルドビス紀にかけての低酸素状態からシルル紀の高酸素状態へ、デボン紀の低酸素状態から石炭紀・ペルム紀の高酸素状態へ、そして、三畳紀・ジュラ紀・白亜紀に再び低酸素状態となり、現在に至る第三紀の酸素濃度21%になったという研究結果から、カンブリア紀の大量絶滅を経ての進化の大爆発やシルル紀・デボン紀の高酸素濃度の助けを借りた陸上へ上陸、ペルム紀の大量絶滅と、ジュラ紀の低酸素濃度による恐竜の繁栄などに関して多くの仮説を立てながら、進化の流れをなぞっています。 それは、鰓による酸素呼吸の誕生にはじまり、より呼吸効率の良い三室心臓(爬虫類・両生類)から四室心臓(哺乳類・鳥類)へ、肺胞式(哺乳類)から隔壁式(鳥類)へと進化して来た酸素濃度の変化に適用するための進化と密接に関係した流れとなっているという仮説から成り立っているものです。 大いに勉強にはなりましたが、苦言としては教科書みたいでとても退屈でした。各章にその時代の海中や陸上の動植物の様子を描写していますが、それだったら一枚の想像図の方が説得力もあって良いような。。。 あと、仮説が山のように出てきますが、その仮説の証明が中途半端で、何が証明済みで何が未証明なのかが判らない点もX。特に恐竜が温血なのか?や鳥と同じ隔壁式の肺を持っていたのか?などは結局どちらが結論かよくわかりませんでした。 なるほどと思った内容は、”爬虫類は走りながら呼吸をすることができないので、獲物を追跡することができないため、待ち伏せして捕食するしかない?”という点です。これで、どこまでも蛇やオオトカゲに追っかけられる夢を見ずにすみます。でも、恐竜が温血動物だったら、蛇やオオトカゲの代わりに恐竜がどこまでも追いかけてくる夢に変わるだけかもしれませんが。。。 いろいろと難はありますが、酸素濃度に着目した壮大な進化のゲームの戦略に関してまとまっているためになる本ではあります。 竹蔵
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酸素濃度の高低が生物相に様々な影響を与えたとする仮説。 高酸素では多様性が、低酸素では異質性が増大されるという仮説だが、幅広い現象に対して辻褄が合っていて面白い。 外的要因が多すぎて酸素濃度の一択で論じるのは簡素化しすぎた感もあるが、タイムスリップして現在とは違う地球を想像させた...
酸素濃度の高低が生物相に様々な影響を与えたとする仮説。 高酸素では多様性が、低酸素では異質性が増大されるという仮説だが、幅広い現象に対して辻褄が合っていて面白い。 外的要因が多すぎて酸素濃度の一択で論じるのは簡素化しすぎた感もあるが、タイムスリップして現在とは違う地球を想像させたり、時代を追ってまとめて説明されているので読み物としても面白い。 今では使われない哺乳類型爬虫類との表記が説明に使われていてややこしかったり、初期の恐竜がすでに気囊を持っていたかについて章によって違った立場をとっていたりする難点はあり。 鳥盤類は骨の構造から気囊では無かったということは、もともと持っていた最強の呼吸方法を退化させたということなのだろうか。 魚竜と首長竜、モササウルスはそれぞれ違う時代に別の爬虫類が海棲に回帰した?ため肺呼吸なのか、その違いが絶滅を乗り越えられなかったのだろうか・・どのタイミングから内温性が出現したのかも非常に証明が難しいところ。低酸素の時代がそんなに長期間に渡ったのであれば、気囊以外にも様々な呼吸法が進化してきていても良かったような気もする。 捕食圧や温度など自然淘汰で注目される環境に、今後は酸素濃度にもっと焦点を当てても良いと納得させられた。実際にカンブリア爆発も呼吸への対応がメインだったのかもしれない。
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2010年刊。◆酸素濃度(CO2濃度も)は、地質学的スパンで見れば乱高下していた(原因は種々)。その乱高下の中、生物は大量絶滅を来たし、逆に内部器官(特に酸素抽出器官)を進化・適応させて繁栄してきた。この過程を主にカンブリア大爆発から白亜紀の恐竜絶滅まで論じる(それ以降や未来像は少)。説得力ある良書、鳥類・鳥類の祖先たる恐竜が低酸素適応をしていた点は興味深い。◇なお、地質学的スパンで見れば現在の二酸化炭素増加現象は大したことはないらしい(ただし、CO2増加が人類生存に問題がないとは断じれないのは当然)。 また、こんな想像も楽しい。恐竜の二足歩行化は爬虫類における低酸素適応であり、肺構造の革新的進化を招来した(この進化は鳥類に継受)。一方、今から五百万年前は酸素濃度28%で現代より高比率だったらしいが、その後、低酸素化の昂進。そもそも、ホモサピエンスの二足歩行化も概ね同じ時期であり、これとの関連性は?。チンパンジーと人との酸素活用率の違いは?。実は、ヒトは酸素濃度の薄い高地に取り残された可能性?。高地・低酸素に適応後、酸素濃度の相対的に高い低地に移動し、脳容量の巨大化を招来?。 なお、「全地球凍結仮説と全地球凍結後の進化の大爆発」という見解と本書の酸素濃度乱高下の進化への影響仮説との関連性、異同、理論としての優劣関係については興味深いところ。
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