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失われた時を求めて(1) 第一篇「スワン家のほうへⅠ」 光文社古典新訳文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 光文社 |
発売年月日 | 2010/09/08 |
JAN | 9784334752125 |
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失われた時を求めて(1)
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4.1
24件のお客様レビュー
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たいした読書家でもない僕が、なぜ、先日やっと吉川一義訳の岩波文庫版を読み終えたばかりの、この作品を読もうと思ったのか? ひとつには、高遠先生が「文学こそ最高の教養である」の中で引用していた 『プルーストによって開かれた感受性と知性とを使って、自分たちが生きている世界、自分たちの...
たいした読書家でもない僕が、なぜ、先日やっと吉川一義訳の岩波文庫版を読み終えたばかりの、この作品を読もうと思ったのか? ひとつには、高遠先生が「文学こそ最高の教養である」の中で引用していた 『プルーストによって開かれた感受性と知性とを使って、自分たちが生きている世界、自分たちの人生を見直しなさい』 (アラン・ド・ボトン『プルーストによる人生改善法』) という言葉に、蒙を開かれたような気がしたからだ。 この言葉を胸において、もう一度全巻を読んでみたい。とりわけ、「見出された時」を、と思ったのだ。 もうひとつの理由は、最近気になっているプルーストとヌーヴォー・ロマンの関係について、少し探ってみたいと思ったからだ。 僕ごときの半端な読者に何が分かるというものでもないだろうが、それでも自分の中に湧いた疑問を、自分なりに追いかけてみたいのだ。 今回は、本作と併せて、ナタリー・サロートやクロード・シモンなどの作品を読んでみたい。 夏休みは終わった。そろそろ宿題に取りかかるべき時だ。 とにかく読み心地が良い。 吉川訳と比べて傍注を減らして、割注で対応しているためかと思ったが、傍注の数はほぼ同じだった。 だとすると、図版の数だろうか? 吉川訳:29 、高遠訳:12。 どうやらこれのようだ。 吉川訳では、聞き慣れない固有名詞や絵画などを具体的にイメージするのに図版が大いに役立っていたが、その反面、視線の運動が中断されてしまっていたのかも知れない。 マドレーヌが引き起こす無意志的記憶のくだりや、輝かしきジルベルトの登場シーン、その数十ページ後には、おぞましいヴァントゥイユ嬢の愛欲シーン、マルタンヴィルの鐘塔の美しい描写など、この巻には読みどころが多い。 最初は、それらの文章を引用したいと思っていたのだが、読み終えて一番気になったのは、亡きヴァントゥイユ氏に想いを寄せた次の文章だった。 『母は、老人となったヴァントゥイユ氏の晩年ずっと変わらなかった苦悶に満ちた顔を思い浮かべた。ヴァントゥイユ氏が晩年の全作品(年老いたピアノ教師にして村の以前のオルガン奏者の残した哀れな楽曲—想像するに、それ自体はたいして価値がないとはいえ、娘のためにそれらを犠牲にする前はそれこそが彼の生き甲斐であり、すこぶる大きな意味を持っていた作品だったのに、大部分はメモすら取られずただ彼の頭のなかにだけ存在していたに過ぎず、いくつかは、ばらばらの紙に記されたもののほとんど判読不能で、世に知られないままになってしまうであろう楽曲)の清書を永久に諦めたことを母は知っていた。』 芸術に人生を賭けることの栄光と悲惨。この部分を書いたとき、プルーストは、 自らの選択の裏側を覗いていたのではないだろうか? そして、浮き世(憂世)に咲く金、愛、権力などへの欲望の花々、それらがすべて萎れ、色褪せたとき、再び彼は書くことを見出したのだろうか? いや、そうではあるまい。彼は知っていたのだ。すべての花々がいつかは萎れてしまうことを。 今回は、読友さんにならって、巻末の読書ガイドを読む前に感想を書いてみた。 確かにこの方が、潔い感じもするし、誤読の羽根を好きなだけ伸ばすことができるような気がする。 一方で、読書ガイドを読んではじめて、高遠先生が翻訳で心を砕かれた点や先生の翻訳の心構えを知り、自らの不明を恥じる思いだ。 やはり、この本の読み心地の良さは、先生のご苦心の賜物であったのだ。 読書ガイドからも引用しておきたい。 『しかし、(略)重要なのは(略)、なるべく多くの読者にプルーストに親しんで頂くことであり、可能な限り正確で、的確な表現に支えられたプルーストを日本語で織り上げることである。 —中略— 私は覚悟を決めた、先達への敬意を失わず、しかも、プルーストだけを見据え、プルーストだけに誠実でありつつ、この全訳を続けていこうと。』
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ドストエフスキー五大長篇を読み終えた今、「世界一長い小説」に挑戦して見るのは今ではないか?と思って読み始めたものの、読み難い。。 そして、光文社古典新訳文庫は6巻で中断したまま、完訳するのかよく分からないと知って、このまま読み進めたものか、悩み始めた。 マドレーヌを紅茶に浸し...
ドストエフスキー五大長篇を読み終えた今、「世界一長い小説」に挑戦して見るのは今ではないか?と思って読み始めたものの、読み難い。。 そして、光文社古典新訳文庫は6巻で中断したまま、完訳するのかよく分からないと知って、このまま読み進めたものか、悩み始めた。 マドレーヌを紅茶に浸して一口食べた瞬間から、幼少期のフラッシュバックが始まり、430頁後に、回想終了、という驚きの展開。 回想中は、場面は飛びまくり、壮大なまだら模様の上、ひとつひとつの描写はとても細かく、比喩の巧みさは世評の通り。ストーリーは特にない、といって良いのだろうか。 義妹曰く、2巻が一番ストーリー性はある、とのことなので、まず、次の巻までは読んでみようかな。
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