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逃亡 新装版 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2010/09/02 |
JAN | 9784167169480 |
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逃亡 新装版
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商品レビュー
3.9
16件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
吉村昭さんの作品は淡々と書かれているので何とも言えない怖さがある。 幸司郎が全て誤った判断で罪を重ねていく前半部分と、その罰から逃れるためにあらゆる思考を巡らす後半とで主人公に対する印象が180度変わる。 戦争の渦中にあって、規律にしばられ倫理的に暴走していく旧日本軍の影響を強く受けた者は冷静な判断ができなくなるという受け取りかたをしました。 そして、逃げてはいるがしかし自由に自分の思考を活かせる環境下で徐々に冷静に人間らしさを取り戻すように感じました。 物語の構成も、第三者の目線から描かれていて、いわばネタバレからスタートしているのがなんとも面白い。 すっきりした読後感ながら、やっぱり「U」の正体、「山田」の正体が気になってしまいます。
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「吉村昭」の長編小説『新装版 逃亡』を読みました。 この季節になると第二次世界大戦に関連する作品を読まなきゃな… という気持ちになるんですよね、、、 「吉村昭」作品は、昨年10月に読んだ『漂流』以来ですね。 -----story------------- 戦争に圧しつぶされ...
「吉村昭」の長編小説『新装版 逃亡』を読みました。 この季節になると第二次世界大戦に関連する作品を読まなきゃな… という気持ちになるんですよね、、、 「吉村昭」作品は、昨年10月に読んだ『漂流』以来ですね。 -----story------------- 戦争に圧しつぶされた人間の苦悩を描いた傑作 軍用飛行機をバラせ……戦時下の緊迫した海軍航空隊で、若き整備兵が背負った過酷な運命とは? 初期の力作長篇が待望の再登場 解説・「杉山隆男」 ----------------------- 1971年(昭和46年)に発表された作品… 逃げる男の心理を、戦争という暗い存在とともに巧みに描いた傑作でしたね、、、 当時の風景や雰囲気が、すっと頭に浮かんできて、まるで本当にその場に居るような感覚に陥るほどの、とても丁寧な描写に惹き込まれ、そして、主人公に感情移入しながら読めて愉しめました。 霞ヶ浦海軍航空隊に所属していた若い整備兵「望月幸司郎」は、外出先から隊に戻る際、上野駅で最終列車に乗り遅れ激しく動揺する… その時、助けてくれたのが「山田」だった、、、 年長の「山田」に親しみを抱き、信頼を寄せるようになった「望月」に「山田」は航空隊が管理している落下傘を持ち出すよう頼んできた… ためらいながらも「山田」の求めに応じた「望月」だったが、そこから彼の運命は狂い始める。 そして、落下傘窃盗の発覚を防ぐために「山田」の指示で九七式艦上攻撃機を爆破することに… その犯行が発覚しそうになり、「望月」は軍を脱走して“逃げる立場の人間”へと追い込まれていく。 「望月」は、東京に出て運送店に勤めるが、顔をさらすことに危険を感じ、軍属として北海道に渡る… 過酷な労働に耐え、再度の逃亡の後、終戦に救われる、、、 この作品はフィクションなのか、ノンフィクションなのか… どちらとも解釈できるようなミステリアスなプロローグとエピローグが良かったですね。 でも、ホントに逃げる男の心理の描き方が絶妙でしたね… ひとつの嘘を隠すために、嘘を積み重ねることになり、軍から逃れようとする主人公、、、 作中、ずっと続く恐怖と緊張感、焦燥、苦悩がリアルに感じられて心がヒリヒリする感じ… 久しぶりの「吉村昭」作品でしたが、面白くて大満足でした。
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ストーリーの面白さから、あっという間に読み切れる作品である。 戦時中の混沌とした時代背景の中、主人公は謎の人物に操られるように、犯罪を犯していく。そして逃げ続ける。最後まで、謎の人物の具体的な正体は掴めないが、主人公を操ったまま、小説は終える。
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