片腕のキャッチ

M.J.アウク【作】, 日当陽子【訳】

• 販売会社／発売会社: フレーベル館
• 発売年月日: 2010/08/23
• JAN: 9784577038413

商品レビュー

2011/07/01

ノームは父の仕事をしていて、左腕を失った。絶望はしなかったものの、色々なもの諦めなければならないと悟るノーム。しかし、ドクターに片腕のメジャーリーガーの新聞記事を見せてもらい、好きだった野球と、様々なものにチャレンジしていく…

主人公の境遇から大感動物語のように思われるかもしれませんが、そうではありません。ノームは片腕を失ったことを悲しみながらも、静かに受け入れます。この物語の素晴らしいのは、何事にも我慢強く、忍耐強く、「今までできなかったことをできるようになるまで」努力するノームの姿勢と、腕を失う前と変わらず彼と接する友人のレオンや家族たち。腕を失ったという悲観的な面には少しスポットを当てるだけで、そこからのノームの物語から見えるのはあきらめないこと、友情、そしてほんのちょっぴりの周りの気遣い。そういったものが、読み手を物語に引き込みます。けど、やっぱり最後の方にはちょっと感動する場面があるんですよね…レオンは本当良いヤツだし、ノームの家族たちも素晴らしいんだなぁ。あれ？やっぱり大感動物語？

2011/01/20

勤務校の５年生の女の子が勧めてくれた本。
読みはじめたら、とまらなくなった。
ショッキングな出来事から幕を開けるのだけど、すこし引いたところで自分を見ているというか、穴にはまりこみ過ぎたりしないで、前を向いてるノーマンに、ひきこまれていく。
あきらめない。
とてもむずかしいことなんだよね。
でも、がんばるんだ。すごく。
お医者さんが、よかった。
お母さんも。
ともだちのレオンも。カールも。
いろんな形で支えてくれるひとがいて、
ちゃんと受けとめて、しゃがみこんでしまわない。
もちろん、どうしようもなくなって泣くときもあって、でも、それさえも受けとめて。
じぶんを、いまのじぶんを認めていく……

選書会で、子どもたちが選んだ本。

2010/09/20

ノームは野球に夢中だった。でもある日、父さんの肉屋を手伝っているとき事故に合い、片腕を途中から切断してしまう。片腕で野球はできるのか？　ノームのチャレンジが始まる…。
ノームが落ち込みそうなとき、からかいながらも協力してくれるレオン。なんでもできると厳しく接する母さん。一歩一歩前に進むノーム自身。暖かくて面白い物語。