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死刑台のエレベーター 創元推理文庫
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死刑台のエレベーター 創元推理文庫

ノエルカレフ【著】, 宮崎嶺雄【訳】

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死刑台のエレベーター 創元推理文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 2010/07/30
JAN 9784488143046

死刑台のエレベーター

¥220

商品レビュー

3.3

17件のお客様レビュー

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2024/10/07

フランスの作家ノエル・カレフの長篇ミステリ作品『死刑台のエレベーター 【新版】(原題:Ascenseur pour l'echafaud)』を読みました。 ギヨーム・ミュッソの『作家の秘められた人生』に続き、フランスの作家の作品です。 -----story------...

フランスの作家ノエル・カレフの長篇ミステリ作品『死刑台のエレベーター 【新版】(原題:Ascenseur pour l'echafaud)』を読みました。 ギヨーム・ミュッソの『作家の秘められた人生』に続き、フランスの作家の作品です。 -----story------------- 完全犯罪を実行したジュリアンは、電源を落とされた無人のビルのエレベーターに閉じこめられてしまう。 36時間後にようやく外に出た彼を待っていたのは、身におぼえのない殺人容疑だった。 アリバイはなく、閉じこめられていたことなど決して明かせない!  偶発する出来事が重なり追い詰められていく男の苦悩と恐怖。 胸苦しいほどの焦燥を見事に描ききった超一級サスペンス。 ルイ・マルの映画化作品も映画史に残る傑作となった。 解説=小森収 ----------------------- 1956年(昭和31年)に刊行され、翌年にはルイ・マル監督のデビュー作として、モーリス・ロネとジャンヌ・モローを主演に映画化された作品……この映画は、大好きで何度も観ている作品なので、愉しみにして読みました。 完全犯罪を成し遂げた男を待っていたのは、とてつもない恐怖と苦悩に満ちた運命の罠だった、、、 夕闇せまるパリの一角、ユマ・スタンダードビルのエレベーターに閉じ込められたジュリアン・クルトワはそこから脱け出そうと悪戦苦闘していた……しかし、脱出して帰宅した彼を待っていたのは殺人容疑であった。 彼にはアリバイがない……エレベーターになぜ閉じ込められていたのか話せない秘密がある、、、 偶然の一致か……焦燥と苦悩を描いた第一級のサスペンス・スリラー。 大まかな展開は映画と同じなのですが、一部の登場人物や物語の描き方など、細かなところでは違いが多かったですねー 原作は原作でサスペンスとしての質が高く、面白かったです、、、 出版翌年には、早くもルイ・マルに目を付けられて映画化されたというのも納得ですねー 実際に犯した罪について告白する終盤のシーン、完全犯罪だっただけに誰にも信じてもらえないという皮肉な展開も印象的でした。

Posted by ブクログ

2023/01/08

これは、映画とは違い、映画以上にすばらしい話の展開でした! 謎解きではなく、心理スリラー。 主人公の思惑どおりに成功した完全犯罪が、主人公を違う罪に追いつめていく…うわー、こう来たか!と感心してしまいました… ジュリアン(軸となる登場人物) ジュヌヴィエーヴ(ジュリアンの妻) ...

これは、映画とは違い、映画以上にすばらしい話の展開でした! 謎解きではなく、心理スリラー。 主人公の思惑どおりに成功した完全犯罪が、主人公を違う罪に追いつめていく…うわー、こう来たか!と感心してしまいました… ジュリアン(軸となる登場人物) ジュヌヴィエーヴ(ジュリアンの妻) ジョルジュ(ジュヌヴィエーヴの兄) ジャンヌ(ジョルジュの妻) テレザとフレッド(ジュリアンの車を盗んだ若いカップル) メインはこの人たち。 びっくりしたのはジャンヌの行動です。 正直笑えましたが、当人は至って真剣… 映画を観たのが半年以内。初めて観つくすことができ、感動していた流れで図書館で借りました。 とても読みやすく、読み始めればさらさらと進むのですが、ジュヌヴィエーヴとフレッドがあまりにツライ性格で、今日は読もうかなー、どうしようかなー、と本を開くことに迷いがちだったので、読了に1ヶ月もかかりました。 そしてジュリアン、残念でした… 新版ですが、既に流通していないのがザンネン。

Posted by ブクログ

2020/11/24

設定の妙と、作中の女性陣の心理描写が印象的な作品。完全犯罪を実行した男と、若いカップル、交わるはずのない二組が破滅に向かっていく様は、単にミステリーやサスペンスとは言い切れない、アイロニー的なものがあったように思います。 会社を経営するジュリアンは、アリバイ工作と自殺偽装を施し...

設定の妙と、作中の女性陣の心理描写が印象的な作品。完全犯罪を実行した男と、若いカップル、交わるはずのない二組が破滅に向かっていく様は、単にミステリーやサスペンスとは言い切れない、アイロニー的なものがあったように思います。 会社を経営するジュリアンは、アリバイ工作と自殺偽装を施し、金の貸し手に対しての完全犯罪を実行する。しかし現場のビルのエレベーターに閉じ込められてしまい、身動きができない状況に。 同じころ、フレッドとテリザの若いカップルは、たまたま停められていたジュリアンの車を盗み、安ホテルに泊まることに。しかし二人の関係性は徐々に崩れ始め…… あらすじだけを知っていた段階では『古畑任三郎』ばりの倒叙ミステリーを期待したのですが、殺人を犯したジュリアンはエレベーターに閉じ込められてからは、めっきり影が薄くなり、その後はジュリアンの不貞を疑う妻と、テリザの視点が中心となります。 そのため、やや期待したものとは違ったのですが、それぞれの女性たちの不安定な心理や言動はなかなかに読ませる。ダメな男と分かっていながらも一方で愛に揺れ、切り捨てられない。 フランスの小説ということもあってか、恋愛に関する文章や言葉は情熱的で、それも相まりすごみを感じました。 そしてストーリーの終盤、ようやくエレベーターから脱出できたジュリアン。しかし彼を待っていたのは、身に覚えのない殺人事件の嫌疑。執拗な警察の取り調べと、現れる証言者たちに追い込まれ、ジュリアンは徐々に心のバランスを崩していき…… このジュリアンが追い込まれていく場面は、読み応え十分! 扉が乱暴に閉じられる音にびくついたり、徐々にやっていない犯罪を、自分がやったのではと、疑心暗鬼に陥ったり、そうした言動の心理描写が、非常によく書き込まれていたと思います。 それだけに、この部分に割かれたページが、全編を通してみるとあまり多くないのが、やや勿体ないとも感じてしまう……。 ジュリアン、そしてフレッドとテリザ。本編では直接顔を会わすことすらなかった二組が、それぞれに破滅していく。ミステリというよりも、その皮肉さというか、運命のままならなさが最大の読みどころなのかも。 そういう観点でも楽しめたのですが、個人的にはこの設定で、完全犯罪がアクシデントからじわじわと崩れ、犯人が追い込まれていくものが、読んでみたかった気持ちも、心の片隅に残っています。

Posted by ブクログ

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