虐待・非行・発達障害 困難を抱える子どもへの理解と対応 土井ファミリーホームの実践の記録

土井高徳【著】

• 販売会社／発売会社: 福村出版
• 発売年月日: 2010/07/21
• JAN: 9784571420306

商品レビュー

2011/07/28

前著と内容の重なりがある。

家庭で養護されなくなった少年達の背景を理解し，その理解に基づいた処置をするための理論的裏付けと土井ホームでの実践方法（必ずしも解決するわけではない）が記されている。

土井氏の取り組みは誰もができることではないが，社会を構成する人が「家庭機能不全（虐待）」から始まる社会的不利益とその過程を理解して，責任を共有することはできそうである。

家庭機能不全（虐待）による非行だから，被害者は無条件に許せというわけにはいかない。事実に基づいて相応の社会的処罰が要るだろう。そうしないと，被害者感情は慰められないし，復讐を計画するし，そのような社会的風土が形成される事による損失が大きくなるだろう。

ではどうするか。家庭機能を不全にしない，不全であるならば可能な限り早期に代替機能をもつ場所に入れることだ。現状，児童福祉施設がさまざまな理由で家庭機能の代替として役割を果たせないから，土井ホームの取り組みが注目されるのだろう。

数ヶ月前，里親が引き取った児童を虐待した事案もあった。
何とも難しいと思う。

2011/06/21

　きっかけあって、里親を調べるにいたる。
　ネットをうろうろしていたとき、たまたま目に入った土井ファミリーホーム。
　児童法改正により、里親ファミリーホームが制度化された。ここを利用するこどもの、ほとんどが「被虐待児」である。小さいじぶんから虐待を加えられ、脳の発育がとまったり傷ついたりで、知的障害や情緒障害を起こすこともある。といった、さまざまな被虐待児との養育を事例にひきつつ、里親ファミリーホームのあり方及び、現代の親子関係を問う。
　残念なのは、構成がごちゃくちゃしており、読みづらい。編集者のちからがあればもっと、良い本になるような気がしたりして。