フロイト Century Books 人と思想24

鈴村金彌(著者)

• 販売会社／発売会社: 清水書院
• 発売年月日: 1966/10/25
• JAN: 9784389410247

商品レビュー

2020/04/14

フロイトについてわかりやすい文章で書かれた入門書です。

フロイトの生涯を描いた第1章と、フロイトの思想を解説した第2章に、ほぼ同等の分量が割りあてられており、生涯と思想の両面にわたってフロイトという人物のスケッチを提示しています。ただ、二つの章の内容が切り離されてしまっており、フロイトの思想がどのようにして展開していったのか、ややたどりにくくなっているようにも思えました。

2011/12/13

清水書院は教科書出版社だが、この新書サイズのセンチュリーリー・ブックスというシリーズも一方の柱で中高の図書室にはたいてい入っているはずだ。大人が読んでも手ごたえ十分で、昨今の新書ブームで書店にあふれている大出版社の安手安直な数々よりずっと誠実である。「いま、人間性の回復をはかり、先人の遺した偉大な文化を継承して、高貴な精神の城を守り、明日への創造に資する」という66年の発刊のことばが泣かせる。
鈴村金彌さんは知らなかったが信州大で障害児教育に尽力されてきた先生らしく著作は多くないが、この本はとてもシャープで退屈もさせずありがたいものであった。とりわけダーウインとマルクスという思想背景下での唯物科学的な発想、戦争と革命の時代社会へのペシミズムへの視点は再認識すべきであろうとおもう。
「人類の運命は、その文化発達によって、人間の攻撃欲、および自己否定の欲動にもとづく社会生活破壊の動きを克服することができるかどうか、またそれができたとしてもどの程度であるかにかかっている。しかも、その成果は、予断できない」（文明の不安）
この言葉の3年後、ヒトラーがドイツ首相になる。

2010/05/14

奥付を見てみると1966年に初版でてからそのまんまで、読んだのは1990年代の35版だったかな、そんな感じ。
1960年代の熱気ちゅうか、その時代にフロイトに心酔した感じが面白くも鬱陶しい。