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“私"の存在の比類なさ 講談社学術文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2010/07/12 |
| JAN | 9784062920001 |
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“私"の存在の比類なさ
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“私"の存在の比類なさ
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商品レビュー
3.5
4件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
『「私」の存在の比類なさ』は、現代日本を代表する哲学者の永井均が、「私」という存在の特異性について深く探究した独創的な著作です。この本は、私たちが日常的に使う「私」という言葉の中に潜む根源的な謎に、徹底的に向き合おうとします。 永井の考察は、一見単純に見える問いから始まります。「なぜ、この私が私なのか」。この問いは子どもじみているように聞こえるかもしれません。しかし永井は、この素朴な問いこそが哲学の根本問題の一つだと考えます。例えば、私たちは「なぜ私は永井均ではないのか」「なぜ私は1800年のパリに生まれなかったのか」といった問いを、真剣に考えたことがあるでしょうか。これらの問いは、「私」という存在の不思議さを浮き彫りにします。 この「私」の特異性を理解するために、永井は様々な思考実験を提案します。その一つが「コウモリの私」という例です。コウモリは超音波で世界を認識しますが、私たちにはその経験を完全に理解することはできません。しかし、もし私がコウモリとして生まれていたら?この問いは、「私」という視点の独自性と、それが持つ普遍的な可能性を同時に示唆します。 永井の議論で特に重要なのは、「私」の比類なさが単なる主観的な感覚の問題ではないという指摘です。例えば、痛みを感じるとき、その経験は確かに主観的です。しかし永井が注目するのは、その主観的な経験を持っている「この私」が、なぜほかならぬ「この私」であるのかという問題です。これは主観-客観の区別以前の、より根源的な問いなのです。 本書では「独我論」についても独自の考察が展開されます。独我論とは「この世界に実在するのは私だけである」という考え方です。一般的に哲学では、独我論は克服すべき誤った立場とされます。しかし永井は、独我論的な直観の中に「私」の存在の本質的な特徴を見出します。それは「私」が世界の中の一つの存在であると同時に、世界全体を経験する視点でもあるという二重性です。 永井の文体の特徴は、難解な哲学的問題を、日常的な経験や具体的な例を通じて考察していく点にあります。例えば、鏡に映った自分の姿を見るという経験。私たちは鏡に映った像を「私」として認識しますが、その「私」は他人の目に映る「私」とどう違うのか。このような身近な経験の分析を通じて、「私」という存在の謎に迫っていきます。 本書の現代的な意義は、デジタル技術やAIの発達により「私」という存在の意味が問い直される中で、重要な示唆を与えている点にあります。例えば、意識をアップロードして不死を得るという考え方が提案されていますが、そこでアップロードされる「私」は、本当に「この私」と同一なのでしょうか。永井の考察は、このような問題を考える上でも重要な視座を提供します。 この本は決して読みやすい本ではありません。それは扱っているテーマの本質的な難しさによるものです。しかし、「私」という存在についての深い理解を得たいと願う読者にとって、本書は貴重な導きの書となるはずです。それは私たちが普段当たり前のように使っている「私」という言葉の中に、どれほど深い謎が潜んでいるかを教えてくれる、知的冒険の書なのです。
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チャプターの「Ⅰ」から「Ⅱ」までが面白く読めた。永井さんが批判に応える「Ⅲ」は筋違いだと感じている批判に対して、頭に来るのはわかるけども、少ししつこく感じて、あとちょっと笑えた(笑)しかし哲学は頭が追いつかないなぁ・・・。
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最初の論文「他者」(1990)だけとるなら素晴らしい。 身近な例を具体的にとりあげながら、極めて平明に語っているが、なかなかに高度な、深い内容。<私>という独特のとらえ方が興味深く、その視点からデカルトの「我思う、故に我あり」を理解し直してみると、これまでに私が考えていたこととは...
最初の論文「他者」(1990)だけとるなら素晴らしい。 身近な例を具体的にとりあげながら、極めて平明に語っているが、なかなかに高度な、深い内容。<私>という独特のとらえ方が興味深く、その視点からデカルトの「我思う、故に我あり」を理解し直してみると、これまでに私が考えていたこととはまるで違ってきて、目から鱗だった。 が、素晴らしいのはこの本の最初の部分だけ。 後半は論敵への論駁が繰り広げられているが、こちら(読者)は、その論敵の文章を読んでないからよくわからないし、なんだかいやみったらしい、思い上がった口調などもあって、やれやれ、大学教授どもの覇権争いかよ、と呆れてしまった。 そういうわけで、評価はあいだをとって☆3つにしました。
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