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ボン書店の幻 モダニズム出版社の光と影
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ボン書店の幻 モダニズム出版社の光と影

内堀弘(著者)

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ボン書店の幻 モダニズム出版社の光と影

定価 ¥2,456

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白地社
発売年月日 1992/09/15
JAN 9784893590947

ボン書店の幻

¥550

商品レビュー

3.5

2件のお客様レビュー

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2010/12/09

あ~、残念だった~。 私の好きなラジオの書評で、この本を紹介していて、おもしろそうだったので図書館で借りてみました。 昭和八年ごろに、ボン書店という出版社を立ち上げて、詩集などを発行していた鳥羽茂、という人の消息を追う…みたいな内容です。 私は詩は苦手で、もちろん鳥羽茂のこと...

あ~、残念だった~。 私の好きなラジオの書評で、この本を紹介していて、おもしろそうだったので図書館で借りてみました。 昭和八年ごろに、ボン書店という出版社を立ち上げて、詩集などを発行していた鳥羽茂、という人の消息を追う…みたいな内容です。 私は詩は苦手で、もちろん鳥羽茂のことも全く知らなかったのですが、時々挟まれる写真や、彼を知る人から思い出を語られると、「ああ、この人、どうなったのかなぁ…」とその後が知りたくなります。 途中中だるみしてしまったところもありましたが、なんとかあとがきまでたどりつき、あとがきを読むと……。 特に何の驚きもない。 あれ? と思ってもう一度書評を聞いてみると(ipodに入っているので)、そのあとがきが載っているのは文庫の方なのでした。 「文庫版のための少し長いあとがき」ということで、単行本を出版してからわかった鳥羽茂のその後、が書かれているのだそうです。 う~、知りたい知りたい。 ここまで来てそれを知らずには終われないぞ。 ということで文庫、注文しました(図書館では文庫版は置いてなかった!)。

Posted by ブクログ

2009/07/06

1920年代、モダニズムやシュルレアリスムが日本でも話題になったころ、春山行夫、山中散生、北園克衛などの著作や、「マダム・ブランシュ」「レスプリ・ヌウボオ」(のちに「詩学」と改名)などの自由な文芸寄せ集めの雑誌を発行し、ヨーロッパ(とりわけフランス)に引けを取らぬ瀟洒な詩集出版物...

1920年代、モダニズムやシュルレアリスムが日本でも話題になったころ、春山行夫、山中散生、北園克衛などの著作や、「マダム・ブランシュ」「レスプリ・ヌウボオ」(のちに「詩学」と改名)などの自由な文芸寄せ集めの雑誌を発行し、ヨーロッパ(とりわけフランス)に引けを取らぬ瀟洒な詩集出版物を心がけた小さな池袋の出版社があった。鳥羽茂という青年が始めたボン書店である。 詩もよくものしていた鳥羽青年は、中学時分より活字を集めて雑誌を作る出版への情熱があった。ボン書店の方針は、頒価で少部数を、モダニズム詩を愛する読者に届けるというもの。値がはっても良質な紙をふんだんに用い、自分で印刷機を使って作る。印刷の出来が悪ければ刷り直すというこだわりを、たったひとり(結婚してからはふたり)で貫いていた。だがしかし、無理もない、十年にも満たない期間で、ボン書店はなくなってしまった。鳥羽茂が人知れず死んでしまったのである。 有名無名問わず、モダニズム詩人は、出版人鳥羽茂の存在を知っていたようだ。しかし鳥羽青年の人生のほうになると、執筆陣はおろか、同級生も、知人も、ほとんど知らないことを著者は跡づけてゆく。鳥羽青年のさびしげな印象ばかりを銘々から聞き知るほかによすががないのだ。 〈レスプリ・ヌウボオという一陣の風と共に現われて、共に去っていったかのように見える、という言い方はとても美しいかもしれない。ボン書店の航跡は確かにそんな美しさに似合うものであった。だが、残された書物たちの向こう側で鳥羽茂という無名な一生はどこか悲しげである。人の死に方は、彼がどんなふうに生きたかを象徴しているものだ。ありがちな言い回しだが、彼の短い生涯のなかにも、様々な出会いがあり別れがあった。彼の淡い足跡を追いながら、生前の鳥羽茂を知る人たちとも出会った。だが、彼らの記憶の中で鳥羽は印象的であっても、その交渉は希薄であった。僅か三十年ほどの短い生涯なのに、きれぎれの場面で鳥羽を知る者はいても、時間という線で彼を知る者は皆無であった。〉 謎に包まれた鳥羽茂という人間の、たったひとりのちっぽけな生涯が、どこか日本のモダニズムの軽やかで、浮薄な時代のミストラルを物語っているようだ。文学史にぽつりとシミを残した程度の淡いの紋様を、著者はみごとに掬いあげているように思う。 〈半世紀も前の本に、その奥付に一行名前を留めていただけのまったく無名な出版人、そんな足跡などたどりようもないと思っていた。だが、わずかな手掛かりといくつかの信じ難い偶然が推理小説のように頁をめくってくれた。不思議なことに鳥羽茂のことは順を追うようになった。狭い部屋を占領した資料やコピーやテープの中で、しかし私は彼がめくる頁を少しづつ読み進めばいいような気がしていた。これも偶然発見された彼の写真ー こちらをじっと見つめているもう茶色に変色した写真を見ながら、私はめくられた頁をただ書き写してきただけなように思う。 こうして「見てきたような」物語を書いてしまった。〉 ところで、2008年ちくま文庫化された本書は、京都に今もある小さな出版社の、奇しくも〈叢書L'ESPRIT NOUVEAU〉の9巻目に数えられている。「ジャンルを超えた新視角のコレクション」として出版されたこの叢書も、表紙カバーに無色プラスチックの帯のうえ、フランス装というなかなかに贅沢で凝ったシリーズであった(本書の装幀・装画・扉絵には、内容にふさわしい、中村宏の「都市計画」が飾られている。シリーズの他にも中村宏氏が手がけている本があるらしい)。この叢書も、とても軽やかな風合いを持つ本だったこと、そして、書店からもたちまちに消え、わずかに古書店の書棚で見かける存在になっていることも、不思議な縁に思われてならない。

Posted by ブクログ

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