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我々はなぜ戦争をしたのか 米国・ベトナム 敵との対話 平凡社ライブラリー704
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 平凡社 |
発売年月日 | 2010/07/09 |
JAN | 9784582767049 |
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商品レビュー
4.2
6件のお客様レビュー
ベトナム戦争に関する書籍というより、際立って立場の異なる者同士が如何に議論し、如何に合意していくかを示す、交渉・対話のお手本のようなストーリー。なお、両者は最後まですれ違いを解消できない。本対話の報告書のタイトルが「好機を逃したのか?missed opportunities」から...
ベトナム戦争に関する書籍というより、際立って立場の異なる者同士が如何に議論し、如何に合意していくかを示す、交渉・対話のお手本のようなストーリー。なお、両者は最後まですれ違いを解消できない。本対話の報告書のタイトルが「好機を逃したのか?missed opportunities」から「終わりなき対話 argument without end」に変えられたというのは味わい深い。 壮絶な殺し合いをした当事者が顔を突き合わせ、激論を交わす。 相手の意図の読み違い、過小評価・過大評価、さまざまなすれ違いが泥沼の戦争へ両国民を引きずり込んでいく。 ベトナム側が一貫して「我々には戦う以外の選択肢はなかった、戦争を避けられたとしたらアメリカ側に責任がある」という姿勢を示すのに対し、アメリカ側は「お互いが好機を逸したmissed opportunities」を主張する。 感情的なぶつかり合いを経て、少しずつ両者の理解が深まる、だが最後には決定的な溝を確認して終わる、このプロセスは圧巻。言葉が出ない。
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NHKスペシャルの書籍化。 マクナマラは相互理解の欠如が戦争突入の主要因と言う仮説で臨んでいるが、ことはそう簡単でもなさそうだ。確かに米はベトナムと中ソの連携を過大評価していたが、後知恵での評価でもって当時の意思決定を評価するのも危険だ。それにベトナムにとっては相手の理解もへっ...
NHKスペシャルの書籍化。 マクナマラは相互理解の欠如が戦争突入の主要因と言う仮説で臨んでいるが、ことはそう簡単でもなさそうだ。確かに米はベトナムと中ソの連携を過大評価していたが、後知恵での評価でもって当時の意思決定を評価するのも危険だ。それにベトナムにとっては相手の理解もへったくれもなかったというのはごもっとも。ぎりぎりラオス会議は和平のための「失われた機会」であったと言えそうだが、その後両国はクーパー氏が指摘するようにお互いの行動(北爆&ベトコン支援)に不信感を持ち、不信感を持つがゆえにそれぞれの行動を止められないピットフォールに陥ったわけだ。互いの国には軍部など強硬派もいるわけで、ある程度まで行ってしまうと和平は望みようがない。 ベトナム側から不適切との指摘を受けたため議論されなかったようだが、アメリカが中ソ参戦を避けながら勝利をおさめられたかという「失われた機会」、なぜこの機会を失ったかも別のテーマとして興味深い。ともあれ、シルバーバレットはない、とにかく対話するしかないという結論は妥当なのかもしれない。
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ベトナム戦争をめぐる、アメリカとベトナムの政治の当事者たちの対話。読み終えて感じるのは、小国と大国、戦場と遠隔地で、全く「信念」や「常識」、「守りたいもの」が異なるのだという、当たり前だが見落とされがちな事実の大きさ。今でも他の場所で同じことが繰り返されているように思えてならず、...
ベトナム戦争をめぐる、アメリカとベトナムの政治の当事者たちの対話。読み終えて感じるのは、小国と大国、戦場と遠隔地で、全く「信念」や「常識」、「守りたいもの」が異なるのだという、当たり前だが見落とされがちな事実の大きさ。今でも他の場所で同じことが繰り返されているように思えてならず、実際に私の専門でいえばハマースとイスラエルの停戦をめぐる双方の考え方とシンクロして見えた。和平を現実的に考えたい人に、何よりまず勧めたい一冊。
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