- 中古
- 書籍
- 文庫
ジャン・クリストフ(3) 新潮文庫
定価 ¥704
550円 定価より154円(21%)おトク
獲得ポイント5P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 1969/10/15 |
JAN | 9784102128039 |
- 書籍
- 文庫
ジャン・クリストフ(3)
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
ジャン・クリストフ(3)
¥550
在庫なし
商品レビュー
5
1件のお客様レビュー
恋愛!それが自己献身の場合には、人間世界の中で最も神聖なものになる。だが、それが幸福あさりの場合には、最も愚劣で欺瞞的なものになる……。 「アントワネット」の章は、クリストフが探していた、あの家庭教師の女性の、生い立ちから語られるスピンオフ的な物語。あまりにドラマチックなあのす...
恋愛!それが自己献身の場合には、人間世界の中で最も神聖なものになる。だが、それが幸福あさりの場合には、最も愚劣で欺瞞的なものになる……。 「アントワネット」の章は、クリストフが探していた、あの家庭教師の女性の、生い立ちから語られるスピンオフ的な物語。あまりにドラマチックなあのすれ違いの裏に、これほどの事情があったことに驚く。ジャナン姉弟をみまった不幸に胸がつまり、壮絶な人生に息を呑んだ。 「家の中」の章では、ようやく邂逅をはたした真の友・オリヴィエとアパートの住人たちとの交流、戦争の危機、成功の兆しなどを越えて、クリストフは個人や民族・国家を超えたより大きな生命の世界へ魂を広げていく。次の章でわかるように、一緒に暮らすクリストフとオリヴィエには男色の気はない。であるが故に、あまりにも濃密で美しい友愛に感動を覚えた。 「女友達」の章では、いくつかの恋愛模様が描かれるが、いずれもヤキモキする展開。特にオリヴィエの恋愛の描写は痛切だ。男女が恋に落ちて絶頂期に至り、そのあと徐々に盛り下がっていく流れが克明に描かれており、利己的な愛情が行き着く絶望感がすさまじい。そして伏線の張られていたあの人物が登場したとたん、さらにどん底へ突き落とされたのにはまいった。しかし、だからこそ、彼らは真実の愛にたどり着いた……ラストの読後感はまさに圧巻のひとこと。この一冊だけで映画を何本も見たような密度・充実感だ。 冒頭にあげた抜粋だけではなく、多くの名文が目を引いたので、メモを残しながら読んだ。恋愛ではなく姉弟愛だったが、アントワネットの献身こそ神聖なるものであろう。
Posted by