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遠い日の戦争 新潮文庫
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遠い日の戦争 新潮文庫

吉村昭(著者)

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遠い日の戦争 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 1984/07/01
JAN 9784101117164

遠い日の戦争

¥220

商品レビュー

4.2

17件のお客様レビュー

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2024/08/14

八月は戦争関連の本を読む月間。 太平洋戦争末期に北九州をB29による無差別爆撃で大量の市民を殺戮し、その後撃墜されて俘虜となった米軍兵と、その俘虜を斬首処刑した日本軍人。 日本人が倹しい生活に苦しむ中、爆弾投下で大量殺戮をした米軍兵が収容所でぬくぬく暮らしていることに憤りを抑え...

八月は戦争関連の本を読む月間。 太平洋戦争末期に北九州をB29による無差別爆撃で大量の市民を殺戮し、その後撃墜されて俘虜となった米軍兵と、その俘虜を斬首処刑した日本軍人。 日本人が倹しい生活に苦しむ中、爆弾投下で大量殺戮をした米軍兵が収容所でぬくぬく暮らしていることに憤りを抑えられず個人の感情で斬殺するが、米軍兵が最後に残した愛する人の名前を呼ぶ声が耳に残る。果たして正義とは、戦争とは何か。 戦後、連合国から戦犯として処刑されることを逃れるための逃亡劇は重苦しい、吉村昭の世界。

Posted by ブクログ

2024/07/17

太平洋戦争中に米軍捕虜を殺害し、戦後に裁判にかけられる、という話は「わたしは貝になりたい」が有名だろう。 いずれにせよ、戦勝国が独自の法廷(東京裁判など)で敗戦国を裁く、というのは考えてみればシュールな状況だといえる。 敗戦国の人間でなくとも、パール判事の言い分は正しいと思う。 ...

太平洋戦争中に米軍捕虜を殺害し、戦後に裁判にかけられる、という話は「わたしは貝になりたい」が有名だろう。 いずれにせよ、戦勝国が独自の法廷(東京裁判など)で敗戦国を裁く、というのは考えてみればシュールな状況だといえる。 敗戦国の人間でなくとも、パール判事の言い分は正しいと思う。 読んでいて歯がゆいのが、国土にバンバン焼夷弾落とされて原爆まで落とされて明らかに非戦闘員の大量虐殺を受けたのにアメリカへの恨みとか、早々になくなっている(ように見える)こと。 まあそれはWGP(戦争の罪悪感を日本人に植えつける洗脳)のせいでもあるけど、いかに徹底していたかがわかる(いまだに解けていない人&団体もいる)。 これ、C国やK国だったら戦後何十年、いや何百年経ってもアメリカ人を恨み続けてると思う。 あとは主人公の逃亡を通して戦後直後の人々の生活がリアルに描かれていて勉強になった。当時の祖父母(と父母)が悲惨な状況を生き延びてくれたおかげで今の自分がいる。命がけの仕事もしておらず、毎日酒呑んでる自分は祖父母の人生に見合った自分だろうか、などと殊勝にも考えてしまうのである。

Posted by ブクログ

2022/08/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

毎年、この時期には先の大戦に関する書籍を意識して手にするようにしていますが、そんな中で終戦記念日に読み終えた一冊です。 今までは戦争中の悲惨な出来事を描いた作品を手にしてきましたが、本作は戦争終盤から始まり、主に描かれるのは戦後の戦争裁判。 主人公の琢也はまさに終戦となったその日、B29に搭乗していたアメリカ兵(捕虜)を斬首により処刑した。 本土決戦が現実味を帯びた戦争末期、本土に降り注ぐ爆弾、焼夷弾により国土は焼かれ、多くの人々が命を落とし、傷を負い、住むところも失った。 まさに民間人を狙った無差別な空襲。 実際にそれを行なっていたアメリカ兵に対し、敵討ちともいえる処刑は残念ながらその当時ある意味で当然のことのように思われることであろう。 そして迎えた終戦。 GHQによる統治と共に始まった戦争裁判。 そこから始まる琢也の逃亡劇。 私が生まれ育った街も舞台に登場し、息詰まる緊張感、人々の心の変化をリアルに感じることが出来ました。 本作で描かれた全てが史実ではないかも知れませんが、今までとは違った意味で私の心に刻まれる一冊になるでしょう。 今もウクライナをはじめ、戦争が行われている事実。 哀しき歴史が今も刻まれ続けていることから目を背けずに改めて戦争と平和について考えたいと思います。 説明 終戦の詔勅が下った昭和20年8月15日、福岡の西部軍司令部の防空情報主任・清原琢也は、米兵捕虜を処刑した。無差別空襲により家族を失った日本人すべての意志の代行であるとも彼には思えた。だが、敗戦はすべての価値観を逆転させた。戦犯として断罪され、日本人の恥と罵られる中、暗く怯えに満ちた戦後の逃亡の日々が始まる――。戦争犯罪を問い、戦後日本の歪みを抉る力作長編。

Posted by ブクログ

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